【新型コロナ】休業要請27日午前0時緩和 宣言解除で黒岩知事「闘い続く」

緊急事態宣言の解除を受け、記者団の取材に応じる黒岩知事=県庁

 政府の緊急事態宣言が神奈川など5都道県で解除されたことを受け、神奈川県は25日、事業者への休業要請を27日午前0時から緩和する方針を確認した。黒岩祐治知事は約1カ月半にわたる県民の理解と協力に感謝する一方、「新型コロナウイルスとの闘いは続く。つらい経験をチャンスに変え、明るい未来をつくろう」と呼び掛けた。

 県は外出自粛の要請を解除したものの、クラスター(感染者集団)が懸念される場所(接待を伴う飲食店など)への訪問や、都道府県をまたぐ旅行などは当面の間控えるよう周知した。

 休業要請は全業種を対象に2段階で緩和。「ステップ1」では各事業者が感染防止対策を講じることを前提に要請を解除し、短縮していた営業時間「午前5時~午後8時(酒類提供は同7時)」も「午後10時まで」に延長する。

 時短営業を解除し通常営業に戻す「ステップ2」への移行について、当初は最短2週間程度としていたが、国の方針を受けて「おおむね3週間」と修正した。

 イベントの自粛要請は、小規模(屋内100人以下、屋外200人以下)は解除し、中規模以上は約3週間後に感染状況などを踏まえ、総合的に判断する。

 休校が続いている県立学校は22日に県教育委員会が示した方針通り、6月1日から分散登校などで段階的に再開する。県立図書館は予約貸し出しや返却の窓口サービスを5月27日から先行実施し、6月9日から再開館。金沢文庫、近代美術館、歴史博物館の各県立施設も同日に再開館する。

 知事は「県内の感染者は一時期よりかなり減った。解除目安の数値には至らなかったが、医療提供体制などを総合的に判断してもらった」と評価。その上で「ウイルスは今も存在し、感染の危険性はずっとある。元に戻れるという発想は控えてほしい」とも述べた。

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