人吉下球磨消防組合は21日、大規模災害発生時に道路確保などに使用する重機を配備した。独自の配備は全国的に珍しく、県内初。
消防庁は東日本大震災をきっかけに重機の無償使用制度を設け、2012年から配備を推進。県内は熊本市消防局が国の提供を受けて既に導入している。同組合は制度適用を受ける見通しが立っていない一方、大雨や台風発生時に孤立しやすい集落が多いことから独自の導入を決めた。
重機はクローラ(キャタピラ)で走行し、がれきの除去や金属の切断など目的に応じてアームの先端を取り換えられる仕様。二次災害防止のため遠隔での無線操縦も可能で、同時に配備した重機搬送車を含めた導入費は約4800万円。
同組合であった配備式で、深江政友消防長が隊員ら約90人を前に「地域住民が安心して暮らせるように防災力強化に全力で取り組んでいく」とあいさつ。導入された重機を使った災害救助訓練もあった。(小山智史)
熊本日日新聞 2020年5月22日掲載