「新型コロナウイルス」関連倒産状況【5月26日17:00 現在】

 5月25日、全国で緊急事態宣言が解除された。26日の「新型コロナ」関連の経営破たんは、17時現在で5件判明し、合計は全国で181件(倒産122件、弁護士一任・準備中59件)に達した。
 新型コロナ関連の経営破たんは、2月2件、3月23件だったが、4月は84件に急増。5月も26日までに合計72件となった。21日1件、22日2件と、ここ数日は小康状態だったが、25日4件、26日5件と、資金需要が活発な月末に向け、再び予断を許さない状況になってきた。

 都道府県別では、福井、和歌山、鳥取、高知、長崎の5県を除く、42都道府県で発生。
 件数は、最多が東京都の37件(倒産33件、準備中4件)。以下、北海道16件(同14件、同2件)、大阪府14件(同8件、同6件)、静岡県と兵庫県が各10件と、5都道府県が10件以上。
 業種別では、インバウンド需要の消失、国内旅行・出張の自粛でキャンセルが相次ぎ、事業継続が困難となった宿泊業が32件(同21件、同11件)で最多。次いで、外出自粛で来店客の減少や臨時休業、時短営業が続いた飲食業が28件(同16件、同12件)、百貨店の臨時休業なども影響したアパレル関連が23件(同14件、同9件)と、個人消費関連の業種が上位に並ぶ。
 また、小・中学校の休校やイベント中止などが影響した食品製造業も14件発生している。
 経営破たんした企業は、人手不足、消費増税、暖冬で企業体力も疲弊したところに、新型コロナ感染拡大で業績が急激に悪化し、人件費や家賃などの固定費負担が重荷となって行き詰まったケースが多い。
 なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満の小・零細企業・商店の倒産のほか、制度融資や支援策などを活用せずに休廃業を決断するケースも水面下で増えているとみられる。
 緊急事態宣言が解除され、事業再開時は一時的な売上増も見込まれるが、新型コロナで失われた客足や売上がすぐに以前の状態に戻る可能性は低い。事業再開には、仕入資金や人件費などの追加資金も必要になる。事業継続を目指す企業・商店には、融資や助成金の早急な実行に加え、返済猶予や経営指導など長期の視点に立った支援が求められる。

※ 企業倒産は、負債1,000万円以上の法的整理、私的整理を対象に集計している。
※ 原則として、「新型コロナ」関連の経営破たんは、担当弁護士、当事者から要因の言質が取れたものを集計している。

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5月26日 経営破たんは5件発生、累計は181件に

 新型コロナ関連の経営破たんは、5月も増勢を持続し、26日17時までに72件判明した。2月から5月26日までの合計は181件に達した。
 26日の主な倒産事例:業務用パン粉の販売を手掛けていた(有)八幡フーズ(千葉県)は、新型コロナ感染拡大による取引先の飲食店の営業自粛などで、売上が落ち込み、4月27日に破産開始決定を受けた。

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