メジャーを代表するユーティリティ・プレーヤーたち

日本時間5月26日、メジャーリーグ公式サイトのトーマス・ハリガンは、ユーティリティ・プレーヤーを特集記事を公開した。事実上の引退状態となっているベン・ゾブリストのほか、現役選手ではマーウィン・ゴンザレス(ツインズ)、ハビアー・バイエズ(カブス)、マット・カーペンター(カージナルス)が球界を代表するユーティリティ・プレーヤーとして取り上げられている。

ゾブリストはレイズ時代の2009年に打率.297、27本塁打、91打点、17盗塁、出塁率.405、OPS.948という好成績をマーク。WAR8.6(Baseball-Reference版)は野手としてリーグ1位の数字だった。しかし、この年のゾブリストに100試合以上出場したポジションはなく、二塁の91試合が最多。このほか、右翼59試合、遊撃13試合、左翼9試合、中堅7試合、一塁3試合、三塁1試合と内外野すべてのポジションで出場した。

ハリガンによると、3つ以上の異なるポジションで10試合以上に出場した選手がWAR8.6以上(Baseball-Reference版)を記録した例は、これまでに6度しかないという(1900年以降)。最初の達成者は1920年のベーブ・ルース(左翼・中堅・右翼)、次の3度はスタン・ミュージアル(1943年と1948年は左翼・中堅・右翼、1951年は一塁・左翼・中堅)、そして2009年のゾブリスト(二塁・遊撃・右翼)と昨年のコディ・ベリンジャー(一塁・中堅・右翼)が記録しているだけである。

ゾブリストはキャリアを通して内野と外野を兼任し、2015年と2016年にはそれぞれロイヤルズとカブスでワールドシリーズ制覇を経験。2016年はワールドシリーズMVPにも輝いた。ユーティリティ・プレーヤーの代名詞的存在でもあり、球界を代表するユーティリティ・プレーヤーであることに疑いの余地はないだろう。

バイエズやカーペンターは、チーム事情に合わせて複数のポジションを守りながらも強打でチームに貢献している選手だ。バイエズはMVP投票で2位となった2018年に二塁で104試合、遊撃で65試合、三塁で22試合に出場。カーペンターは一塁、二塁、三塁の3ポジションでそれぞれ通算200試合以上に出場している。

ゴンザレスもデビュー以来、内外野の多くのポジションを守り、2017年には打率.303、23本塁打、90打点、OPS.907の好成績をマーク。しかし、この年を例外として、基本的には平均以下の打者に過ぎず、ゾブリストやバイエズ、カーペンターと比べると物足りなさが残るのも事実である。

ハリガンはこの4人以外に、マーティン・プラド、ショーン・フィギンス、クレイグ・カウンセル、マーク・ロレッタ、ビップ・ロバーツ、トニー・フィリップス、ペドロ・ゲレーロ、セザー・トバーを球界を代表するユーティリティ・プレーヤーとして紹介している。

なお、ピート・ローズ(二塁→外野→三塁→一塁)、ロビン・ヨーント(遊撃→外野)、クレイグ・ビジオ(捕手→二塁→外野→二塁)など、シーズンごとにポジションを移動した選手については、今回の特集の対象外となっている。

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