火気厳禁の「ワルシャワの幻想」ザ・スターリンからの緊急事態宣言! 1982年 7月1日 ザ・スターリンのメジャーデビューアルバム「STOP JAP」がリリースされた日

アルコール度数96、ザ・スターリンの曲名を冠したウォッカ発見!

2020年4月、新型コロナウィルス感染拡大防止のため緊急事態宣言が発出された。外出時にはマスク着用が常識になり、アルコール消毒液で手指を消毒することも当たり前の行動になってきた。でもドラッグストアではマスクとアルコール消毒液の品薄状態が続いている。このままの状態が続くと我が家の在庫も底をつく。今まで全く気にしたことがなかったのに入手できなくなると急に欲しくなるのは長年に渡るオタク癖が災いしているのだろうか?

そんな折、「消毒液に使えるかも」という貴重な情報がSNSで流れてきた。それはあるスーパーの酒コーナーの写真で「火気厳禁!アルコール度数96のウォッカ!」と書かれたPOPに「アルコール度の高さゆえに消毒薬として使われることも」という一文があった。商品名は「ワルシャワの幻想」。

「ナニ!ワルシャワの幻想?」写真に写っているボトルをよく見ると、ラベルにはザ・スターリンのアルバム『Trash』のジャケットに描かれていた独特なイラストがあった。ステージで臓物や糞尿をぶちまけていたザ・スターリンの代表曲名が冠されたスピリタスを手指の消毒に使うとは、それこそ緊急事態じゃないか。

調べてみると、このスピリタスは酒の輸入卸会社・都商会が「ロック酒」として販売しているものだった。他にもパンクウォッカとして、アナーキーの「ノット・サティスファイド」(アルコール度数82)や、ポーグス、モーターヘッド、AC/DC などいろいろな「ロック酒」を販売しているので興味のある方は下記に掲載するリンクから確かめてほしい。

メシ喰わせろ! 遠藤ミチロウは町田町蔵に何を感じたのだろうか?

「ワルシャワの幻想」は、ザ・スターリンのメジャーデビューアルバム『STOP JAP』に収録されていた曲で、緊急事態を告げるようなサイレンで始まる。ライブでもメガホンのサイレンを使って観客を煽る定番ナンバーだ。その『STOP JAP』の前年に発売された自主制作アルバム『Trash』には「メシ喰わせろ!」のタイトルで同曲のライブバージョンが収録されている。そしてこの「メシ喰わせろ!」は、INU(町田町蔵)の「メシ喰うな!」へのアンサーソングとも言われている。

「♪ 俺の存在を頭から否定してくれ」と歌う当時19歳の町田町蔵に、当時31歳の遠藤ミチロウは何を感じたのだろうか?「♪ 俺の存在を頭から輝かさせてくれ」と正反対のことを歌いながらも、どこか共鳴しているようで想像を掻き立てられた。否定しながらも輝かさせろ、それがお前だ、と言っているのだろうか。

遠藤ミチロウが亡くなってちょうど一年が経つ。自粛とか Stay Home とか、一年前には考えられない日々が続いている。毎日が食事中心の生活になっていて、一日中、メシ喰わせろ!と言っているかのような気もしてくる。もしミチロウが生きていたらどんな歌を歌っていただろうか。今こそアルコール度数96の「ワルシャワの幻想」を飲みながら、ミチロウの存在を頭から輝かさせてやる!

カタリベ: やっすぅ

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