カンニング竹山「『死ね』と言ってることと一緒。国はホームレスのことは国民と思ってないのか?」

ABEMAがニュース番組『ABEMA Prime』を平日夜9時より毎日生放送している。

2020年5月25日(月)夜9時からの放送では、新型コロナウイルスの感染防止のため、スタジオ出演者の間にアクリル板を設置し、番組MCを務めるお笑い芸人のカンニング竹山、進行を務めるテレビ朝日の平石直之、佐藤ちひろ両アナウンサー以外のコメンテーターが自宅や職場から“テレワーク”で出演した。

番組では、新型コロナウイルスの感染拡大によるホームレスの方たちへの影響に注目した。これまではアルミ缶回収などの日雇い労働で現金収入があった人も、休業要請などによって仕事が激減。さらに、支援団体による食料の支給や炊き出しも感染防止を理由に自粛が相次いでいる。その中で、ホームレスが支給を待つ10万円の特別定額給付金は、きちんと彼らに届くのか?をテーマに、議論した。

議論を始めるにあたり、給付金の支給については、自治体ごとの判断に委ねられていており、給付金がホームレスには届かない可能性があることについて、竹山は「前から言われてたんですけど、日雇いとかで生活してた方はコロナで生活できないんだから、本当は1番そこに10万円を渡さなきゃいけないのに。『住民票がないから貰えないでしょう!』って言われても、その渡す手立てが無くなったら『なんでそこの打開策を考えてないのかな?』っていう。その支給の仕方を一刻も早く考えることですよね」と指摘した。

番組では、ホームレスへの給付金対応として、自立支援センターで住民登録をする方法や、生活の本拠となる住所に認定された場所(ネットカフェ等)で住民登録をする方法が紹介された。これに対し、路上生活者をはじめ生活困窮者の支援を行う一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事の稲葉剛さんは、「総務省が今回の給付金支給対象者というのを、4月27日の時点で住民基本台帳に記載されている方と決めています。様々なホームレス支援団体が各自治体と交渉を続けていますが、『自治体としては総務省がそう言う以上、住民票がない方には出せない』と言っています」と、お金を受け取ることができないリスクを明かした。

番組に生出演したホームレスの男性は、生活保護という選択肢について問われると、男性は「役所には行ったんですけど断られたのでやめました。だから今1番期待しているのは給付金。10万円あれば地元に帰れるので…」と告白。これを受けて、稲葉さんは「役所に相談しても生活保護を受けられなかったというのは、違法な運用です。生活保護は、住まいがなくても今いるところの役所に申請はできるとなっている。ただ、実際ホームレスの人に対しては、各自治体の窓口が水際作戦という、困っている人が来ているのに追い返してしまう違法な運営をしているところが多く、その為に生活保護を受けられていないホームレスの方は沢山いらっしゃいます」と、課題を指摘した。レギュラーコメンテーターでジャーナリストの堀潤は、「支援団体のケアをたまたま受けられた皆さんはなんとかサポートできますけど、そこにアクセスが出来ない方々が全く交渉の余力もなく、行政側が追い払うというのは横着ですよね…」と国や自治体へ苦言を呈した。

一連の話を受けて、竹山は「総務省も国もどう考えてるんですかね?じゃあ『ホームレスの人は知らないよ』って事になるんですか?そこを1番救わないと。いま現場で仕事も止まってるし、そもそも仕事をする現場がないし。もう極端に言うと『死ね』って言ってる事と一緒じゃないですか。国は国民全員に10万円を渡すって言ってたんですけど、国はホームレスのことは国民と思ってないのでしょうか?」と語気を強めた。

本放送の様子は、現在も「ABEMAビデオ」で配信中。

■『ABEMA Prime』 放送概要

放送日時:毎週月~金曜 夜9時~夜11時  ※生放送

放送チャンネル:ABEMA NEWSチャンネル

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