アングル:2次補正、1次上回る規模に増額 国会会期延長回避など背景か

©ロイター

竹本能文

[東京 27日 ロイター] - 新型コロナウイルスに対応した2020年度2次補正予算は、国の財政支出を表す真水が33兆円程度と1次補正の規模を上回る巨額なものとなった。検察庁法改正案に対する世論の反発などで内閣支持率が急落し、国会の会期延長を回避したい安倍晋三首相の意向が反映されたとの見方が与党内にはある。

<5月中旬までは10兆円台>

5月中旬まで、政府・与党内では、2次補正予算の真水規模は1次補正の半分程度、10兆円台との見方が多かった。1)全国に発令された緊急事態宣言が14日以降徐々に解除される方向が示され、1次補正で9兆円弱計上された10万円の全国民一律給付の第2弾は不要、2)感染防止対策に巨額の公共投資は計上しにくい、といった理由だ。

しかし、2次補正は1次を大幅に上回る規模となった。予備費が10兆円と1次補正の1.5兆円から大きく膨らんだほか、家賃支援給付金の創設や、都道府県の医療提供体制強化のための「新型コロナ感染症緊急包括支援交付金」の増額なども計上される。

<30兆円台への増額、官邸の意向>

政府内には、緊急事態宣言が解除されても、新型コロナによる世界的な経済収縮による製造業の大幅減産や、外出自粛継続による国内サービス業への打撃は継続が予想され、「被害がどの規模になるか不明で、対策は逐次投入しかできない」(閣僚周辺)との声もあった。このため「必要ならば3次補正予算を議論するために、国会会期延長も俎上に上る」(政府関係者)との声が出ていた。

これに対し、ある与党関係者は「10兆円台から30兆円台に増額したのは、やはり支持率急落が背中を押したのだろう」と指摘。「3次補正は実施しない、そのための会期延長はしないとの官邸の意向も反映されている」と解説する。補正増額に向けた政府・与党の要求は徐々にエスカレートし「予備費のみで50兆円必要との要求も出てきた」(経済官庁)という。

<会期延長阻止へ>

毎日新聞と朝日新聞が先週末実施した世論調査では共に内閣支持率が危険水域とされる3割を割り込んだ。自民党内では、国民の3割が与党支持層との見方が強く、内閣支持率が3割を割り込んだことは、与党支持層内にも政権不支持の声が出始めたことと解釈される。検察庁法改正が三権分立に抵触するとの批判がツイッターなどで広がったうえ、黒川弘務・前東京高検検事長の賭けマージャン発覚による辞職、また、その処分内容についての批判も出ている。

別の与党関係者も「国会の会期が延長されると、黒川問題に加え、河井案里参院議員の公職選挙法違反疑惑など様々な論点で追及される可能性があり、延長阻止が官邸の意向だろう」と解説している。

(編集:石田仁志)