相鉄・東急直通線用20000系をさらに6編成導入 相鉄グループの2020年度鉄道・バス設備投資計画 安全対策とサービス向上に総額187億円

相鉄グループは2020年度の運輸業において、鉄道事業178億7100万円・バス事業8億4000万円の設備投資を実施すると発表した。新型車両20000系を増備し、相鉄・東急直通線の開業に向けた準備を進めていく。

20000系を6編成導入、車体色の変更

2022年度下期に開業予定の相鉄・東急直通線用に開発した新型車両「20000系」を6編成・60両導入し、開業に向けた準備を進めていく。本形式は2023年度までに全16編成導入予定だ。

サービス向上の取り組みとして「デザインブランドアッププロジェクト」の統一コンセプトに基づいた車両のリニューアルも進める。既存車両の車体色を「ヨコハマネイビーブルー」に変更するほか、座席の座面やつり革の変更といった内装の改良や車内放送案内の自動化も行う。今年度は10000系1編成のリニューアル、9000系の空調システム改良を予定しているという。

今年度はホームドアを三駅に設置

同社は現在、国および地方自治体の協力のもと全駅へのホームドア設置を進めており、今年度は二俣川・大和・湘南台の三駅に設置するとともに、ホームの補強や列車定位置停止装置(TASC)などの準備工事を実施する。全駅へのホームドア設置は2022年度末完了予定だ。

駅舎リニューアル・工事・待合室の新設等

南万騎が原駅では「デザインブランドアッププロジェクト」の取り組みとして、内外装の改修や駅舎のリニューアルを進める。今年度も引き続きシースルー改札の設置やブランドアップ工事などを実施する。

海老名駅総合改善事業として、北口および南口2階への改札口の増設、ホームドアの品説、生活支援設備の整備とあわせて駅舎の建て替えを行う。新駅舎は2022年度開業を予定しており、今年度は新駅舎の鉄骨工事、仮改札への切り替え、既存駅舎の解体などを予定している。

西谷駅や希望ケ丘駅では待合室の設置工事を行う。

相模鉄道本線(星川駅~天王町駅)連続立体交差事業

横浜市の都市計画事業である相模鉄道本線(星川駅~天王町駅)連続立体交差事業については、星川駅・天王町駅の駅舎改良や車両留置線の整備を進める。高架化自体は2018(平成30)年に達成されたが、事業全体の完成予定は2021(令和3年)度。

線路改良・構造物改修

その他にも西横浜駅、相模大塚駅の分岐器の交換、本線の軌道改良(主に道床の交換)を実施し列車の騒音や振動を低減、安全性の強化を図る。万騎が原トンネル内部の改修といずみ野線の高架橋の高欄(防護壁)の落下防止対策も引き続き実施する。

バス事業

バス事業では大型乗合バス17両(うちハイブリッドバス10両)を導入するほか、より安全性が高いASV型の高速バスを2台導入する。

ハイブリッドバスは環境への一層の配慮および燃料費などのトータルコストを低減できるバスのこと。ASV型はAdvanced Safety Vehicle(先進安全自動車)の略。衝突被害軽減ブレーキ、車間距離保持機能付オートクルーズなどの先進技術を利用してドライバーの安全運転を支援するシステムを搭載している。

鉄道チャンネル編集部
画像:相模鉄道

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