WorldRX:KYB Team JCが2020年仕様アウディを披露。シリーズはeスポーツ拡充も発表

 WorldRX世界ラリークロス選手権に参戦するJC Raceteknikは、2020年シーズンから装いも新たに“KYB Team JC”の登録名でエントリーするアウディS1 RXスーパーカーの新カラーリングを公開した。またシリーズは2戦を実施したeスポーツ・イベント『World RX ESports Invitational Series』の成功を受け、さらに4戦の追加をアナウンスしている。

 チーム代表のジョエル・クリストファーソン率いるJC Raceteknikは、WorldRXをはじめEuroRXヨーロピアン・ラリークロス選手権やRX Lite、北欧のRallyX Nordicなどを中心に活動を続けてきた。

 過去数シーズンのWorldRXでは、2016年のワールドチャンピオンでもあるマティアス・エクストロームが創設したTeam EKSの支援を得てアウディを走らせており、2020年も引き続き同マシンを採用してシリーズを追うことになる。

 EKSがアウディのファクトリーバックアップを受けていた当時から、サプライヤーとして名を連ねたKYBをチーム名に冠し、2020年仕様のS1もカラーリングを一新。レッド&グレーを基本とするスキームに、EuroRX連覇と2015年WorldRXアルゼンチン戦ウイナーでもあるロビン・ラーソンと、ラトビア出身のヤニス・バウマニスのパーソナルスポンサーをあしらった。

 一方、WorldRXのプロモーターを務めるIMGは、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの影響を受け、これまで2戦を開催してきたeスポーツ・イベント『World RX ESports Invitational Series』の世界的な反響に対し、新たに全4戦からなるシリーズ戦の開催を発表した。

 4月19日(日)の開幕戦カタルーニャ・エディションと、5月3日(日)開催の第2戦モンタリグレ・エディションは単独イベントの位置づけで実施されたが、数多くの視聴者数を獲得した実績とファンからのリアクションを受け、IMGとゲーミングプラットフォームの『DiRT Rally 2.0』を提供したコードマスターズは、本格的シリーズ戦の開催を決断した。

2020年も引き続き、車両開発を担ったマティアス・エクストローム率いるTeam EKSの支援を得てアウディS1を走らせる

 新シリーズの『WorldRX Esports』は、5月31日(日)のWorldRX Esports Abu Dhabi(ヤス・マリーナ)を皮切りに、6月21日(日)に第2戦WorldRX Esports Norway(ヘル)、連戦の同月28日(日)に第3戦WorldRX Esports Sweden(ホルヘ)、そして7月19日(日)の最終戦WorldRX Esports South Africa(ケープタウン)のスケジュールを予定する。

「ここまで実施したふたつのeスポーツ・イベントでは、ドライバーにもファンにも世界レベルの仮想RXコンテンツでその技術と勝負を楽しみたいという本物の欲求と熱意があることが示された」と語るのは、コードマスターズで『DiRT Rally』シリーズのゲームディレクターを務めるロス・ゴウイング。

「WorldRXで競う最高のドライバーが、レースウイークと同じ情熱と同じコミットメントで、DiRT Rally 2.0で競争するのを見るのは、我々にとっても本当に素晴らしい経験だ」

 その2戦では、WorldRXレギュラー勢として現世界チャンピオンのティミー・ハンセンを筆頭に、弟のケビン・ハンセン、ヨハン・クリストファーソン、ティモ・シャイダー、オリバー・ベネットらがエントリー。

 さらにモータースポーツ異種格闘技戦の彩りを加えるべく、ABBフォーミュラE選手権レギュラーのアントニオ・フェリックス・ダ・コスタや、元F1ドライバーのミカ・サロ、WEC世界耐久選手権でアストンマーティンをドライブし、2020年にはスーパーGTにも参戦予定のニッキー・ティームも顔を見せ、VASCヴァージン・オーストラリア・スーパーカーの元王者、“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンはデビュー戦で表彰台を獲得するなど、数多くのスタードライバーが名を連ねた。

「この世界的に困難な期間に、ラリークロスの興奮をファンにもたらした成功には非常に満足している。今後さらにアクションを拡大できることにもワクワクしているよ」と続けたIMGモータースポーツ・イベント上級副社長のポール・ベラミー。

「この新しいフォーマットをサポートしてくれたパートナー、ドライバー、ファンに感謝し、今後さらに多くのイベントを提供できることを楽しみにしている」

 新たに始まる『WorldRX Esports』でもこれまでの参戦形態を踏襲し、WorldRXドライバーやワイルドカードのゲストに加え、予選を勝ち抜いた上位10名のプロゲーマーもセミファイナルと決勝に参戦。イベントは全22ヒートで構成され、約2時間半のコンテンツとしてシリーズ公式FacebookやYouTubeチャンネルでライブストリーミングされる。

新たに全4戦からなるシリーズ戦『WorldRX Esports』の開催もアナウンスされた

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