住宅ローン残債2660万・返済年数31年。借り換えvs繰り上げ返済はどっちがおトク?

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読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、2016年に住宅ローンを組んだ30歳の会社員の女性。少しでもローンの負担を軽くするために、借り換えを検討すべきか悩んでいるそうですが…。FPの氏家祥美氏がお答えします。

2016年8月にマイホームを購入し、住宅ローンを35年で組みました。金利は、10年固定(1.2%)です。住宅ローンの借り換えを検討したほうがいいでしょうか。また、その際の注意点が知りたいです。今後の返済方法についてアドバイスをください。

現在の投資積立額、約600万円については、基本的に老後資金や車の購入費にあてる予定です。教育資金や今後家の修繕等にかかる費用などについても、どうやって貯めたらいいのか漠然と不安に感じています。

<相談者プロフィール>

・女性、30歳、既婚(夫:33歳、会社員)

・子ども2人:6歳(小1)、3歳(幼稚園)

・職業:会社員

・居住形態:持ち家(戸建て)

・毎月の世帯の手取り金額:48万円

・年間の世帯の手取りボーナス額:80万円

・毎月の世帯の支出目安:41万円

【支出の内訳】

・住居費:8.5万円

・食費:8万円

・水道光熱費:4万円

・教育費:4.8万円

・保険料:2万円

・通信費:2.6万円

・車両費:6万円

・お小遣い:1.5万円

・その他:3.6万円

【資産状況】

・毎月の貯蓄額:定期3万円、積立投資4万円

・ボーナスからの貯蓄額:5万円

・現在の貯蓄総額:120万円ほど

・現在の投資総額:600万円ほど

・現在の負債総額:2660万円

(住宅ローン:借入金額2900万円、借入期間35年、10年固定金利1.2%)


氏家: こんにちは。ファイナンシャルプランナーの氏家です。今回は、30代前半のご夫婦から住宅ローンの借り換えと、教育資金準備等についてご相談をいただきました。以下の3つの視点から、お答えいたします。

(1) 子育て世帯のライフプランニング
(2) 家計の見直し
(3) 住宅ローンの考え方

「人生の3大資金」から考えるライフプランニング

人生の3大資金と言われるものに、住宅資金、教育資金、老後資金があります。食費などの日々の生活費のほかに、大きくまとまった資金がかかるため、事前に用意しておきたいのがこれら3大資金です。一つずつ考えていきましょう。

・住宅資金
相談者さんはすでに住宅を購入済みなので、これから頭金を準備する必要はありません。当初35年ローンを組んで借りた2900万円の残債2660万円を返済していくと、ご主人が63歳で完済予定となります。老後に大きなローンを残さないという点で、ひとまず合格と言えるでしょう。

住宅に関しては、修繕費用についても考えておきましょう。月額1万円を修繕費用として取り分けておくと、10年間で120万円が貯まります。外壁の塗装など大きなメンテナンス時に役立ちます。

・教育資金
現在、教育費目的の資金が確保できていないことが不安につながっていると思われます。18歳の大学進学を目標とする場合、現在小1のお子さんには11年間、年中のお子さんには14年間の準備期間があります。仮に18歳で500万円ずつ用意したいと考えると、単純計算で毎月3.8万円と3.0万円ずつの積立が必要になります。

・老後資金
相談者さんが49歳、ご主人が52歳で下のお子さんも大学を卒業する見込みとなります。仮に65歳まで働くと考えると、子育てが終わってからでも老後資金を貯める期間が十分あると考えられます。

以上より、これから優先的に積み立てていくべきなのは、
・修繕費用1万円
・教育資金3.8万円+3.0万円=6.8万円
の、月額合計7.8万円です。

現在は、定期預金を3万円、投信積立4万円の合計7万円を積立しているとのことですが、これでは少し積立額が足りません。そこで家計の見直しを検討します。

家計の見直し、どこから手を付ける?

現在の家計を拝見すると、見直しの余地がありそうです。以下に、見直し後の数字を太字で示しました。

【支出の内訳】
・住居費:8.5万円
・食費:8万円→7.0万円
・水道光熱費:4万円→3.0万円
・教育費:4.8万円→1.8万円
・保険料:2万円→0.7万円
・通信費:2.6万円→1.6万円
・車両費:6万円
・お小遣い:1.5万円
・その他:3.6万円
<支出計 41.0万円>→33.7万円(現在よりも7.3万円減少)

説明していきましょう。まず、食費がお子さんの年齢の割に高めでしたので、1万円減としました。中高生になると今以上に食費が増えますから、今のうちに食費をコンパクトにしておきましょう。また、水道光熱費も少し高めです。こちらも、お子さんが大きくなって生活時間が変わってくると上昇しやすい費目ですから、今のうちに1万円程度減額を検討してみてください。

下のお子さんは3歳ということですから、幼児教育無償化で幼稚園代が減額できるため、こちらは3万円減としました。

保険料も2万円とありますが、死亡保障と医療保障お二人分でも掛け捨てのネット生保でしたら、7000円以内で抑えられそうです。学資保険や終身保険など貯蓄性の高い保険があっての2万円でしたら、現状のままでも構いませんが、内訳をもう一度確認してください。

通信費も家庭用のWi-fiやご夫婦の携帯代、固定電話代が入っていると思いますが、工夫次第であと1万円程度減額できそうです。

これらをすべて実行すると、月額7.3万円の支出が減らせることになります。

住宅ローン借り換えプランは低金利に飛びつかないで

現在のローンは、当初10年固定(1.2%)の35年ローンの返済4年目ですね。ということは、残りの部分に注目すると、あと6年間1.2%の金利で返済した後は、25年間の変動金利期間が残っていることになります。

現在、「住宅ローン 当初10年固定特別金利プラン(0.57%)」といった借り換えプランもあり、魅力的に見えますが、相談者さんの現在の残額をそのまま借り換えると、さほどメリットが出てきません。このプランを展開する金融機関の場合、借り換えにかかる諸費用が90万円近くかかるため、借り換えの金利差のメリットを打ち消してしまうからです。

あくまでも予測ですが、コロナの影響で経済停滞は続くと思われるため、金利はすぐには上がらないでしょう。そこで、借り換えをする前に、老後資金用に確保してある600万円のうち、260万円を繰上げ返済し、残債を2400万円程度に減らすることから始めましょう。

結論。家計のスリム化+貯金とローンの繰り上げ返済を

まとめると、このようになります。

<月々の積立可能額>
現在の積立額(貯蓄3万円+積立投資4万円)+家計見直し分7.3万円=14.3万円

<積立の目的>
第1子の教育費3.8万円+第2子の教育費3.0万円+修繕費1.0万円+その他(老後資金・余裕資金・車の購入費等)6.5万円=14.3万円

これくらいに家計がスリム化できたら、その他の積立6.5万円のうち、半分程度を住宅ローンの返済に充てても問題がないでしょう。あと6年ほどある固定金利期間中に、繰上げ返済をしていくことで、借換え費用をかけることなく残債を減らし、期間を短縮できます。