「もう疲れた」と感じた時にやってはいけないこと

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自分の部屋で一人になった時、ため息と共に「もう疲れた」という言葉が思わず口をついて出てきた……。

きっと、つらい気持ちを我慢しながら必死に頑張ってきたのでしょう。

全て投げ出すことができたらどんなに楽だろうかと思っても、それはできない。こんな時、一体どうすればいいのでしょうか?

その対処法についてお伝えしましょう。

■「もう疲れた」と感じる原因

疲れたと感じるのは、休まずに頑張り続けてきたからです。

「自分の責任を果たそう」「なんとかして問題を解決しよう」と思って必死に頑張ってきたのに、なかなかうまくいかない。

こういう状態が長く続くと、ある日突然、「これ以上は無理かも……」と思ってしまう時がやってきます。「もう疲れた」という気分になるのはそんな時です。

ただし、頑張り続ければ必ずそうなるわけではありません。

頑張り続けている中で、ある状況に陥った時に「もう疲れた」と感じてしまうのです。それこそが、「もう疲れた」と感じる本当の原因です。

では、一体それはどのような状況なのでしょうか?

主なものとして次の4つが挙げられます。

◇(1)思うようにうまくいっていない

例えばあなたが何かのプロジェクトリーダーだったり、店長として店舗運営を任せられていたりするとします。

あなたはきっと「この仕事を成功させなければならない」と考えて、アイディアを出したり、部下やメンバーの面倒を見たりなど、さまざまなことに気を回しながら頑張るでしょう。

そういった試みがうまくいっているうちは体力的に疲労がたまったとしても、それほど苦にはなりません。

ところが、頑張っている割には思うようにうまくいかない日が続くと、体だけでなく精神的に疲弊していきます。

やがて疲労がピークに達すると、「これ以上は無理だ」と限界を感じて「もう疲れた」という気分になります。

恋愛や人間関係においても同様のことが起こります。

相手のためにいろいろ気を使って尽くしているのに、それがちっとも報われない。そう感じた時に、「もう疲れた」となってしまいます。

頑張り続けているのに、なかなかうまくいかない。そんな状況に陥ると、「もう疲れた」と感じてしまうことになるのです。

◇(2)プラスの評価がない

事務職のように日々決められた処理をする仕事は、企業活動を支える重要な仕事だといえますが、残念なことに、間違えずにやって当たり前と思われていて、常にしっかりやっていても褒められることは滅多にありません。

毎日ちゃんと仕事をしているのに誰からも評価されないとなると、「私がやっていることは意味があるのだろうか?」と不安になってくるものです。

誰もが、頑張っていることを認めてもらいたいと思うものであり、自分の頑張りに対してプラスの評価が得られない状況が長く続くと、やっていることがだんだんむなしく感じられてきます。

そうなると、「もう疲れた」という気分になって、モチベーションも湧いてこなくなってしまいます。

◇(3)批判される状況が続いている

職場環境によっては、頑張っていることを認めてもらえないばかりか、普通以上に仕事をこなしていても重箱の隅をつつくようにあら探しをしてくる上司や先輩がいる場合があります。

「そんな細かい部分まで見ます?」と言い返したくなる気持ちをグッとこらえながら、面倒なことになるのを避けるために表向きは素直に従うのですが、なんともやりきれません。

しつこいクレーマーに絡まれ続ける時も、同じように精神的に疲弊していきます。こちらが悪いと一方的に決め付けられ、厳しい言葉を投げ続けられていると、なぜか自分がダメな人間に思えてきます。

繰り返し批判的なことを言われ続けていると、「自分が何をやってもどうせ怒られる」という諦めの気持ちが生じてきます。

そして、「頑張っても仕方がない」「頑張るのはもう疲れた」と思うようになり、何もかもやる気が起きなくなってしまうことになります。

◇(4)終わらない仕事をやっている

仕事を1つ終わらせても別の仕事が待っている。次から次へと新しい仕事が発生して、やるべき仕事量が一向に減らない。

その状態が長く続いた時にも「もう疲れた」という気分になります。

その仕事を任された当初は、やり甲斐を感じられたかもしれませんが、同じことを繰り返しているうちに、「いつまでこれが続くのだろうか」「いつになったら楽になるのだろうか」といったような、やるせなさを感じるようになっていきます。

ノルマを与えられて、それをクリアしても、すぐまた次のノルマの達成を目指さなければならない職場も同じです。

終わりが見えない中で頑張り続けていると、やがて、「もうこれ以上は自分には無理だ」という無力感につながり、精神的に疲れてしまって、やる気が維持できなくなります。

■心理カウンセラーが教える気分転換の方法

疲れた時は休む。それが疲労回復の鉄則です。

さらに言えば、「もう疲れた」と感じるのは精神的に相当参っている状態ですので、心のリハビリも必要です。

以下に、「もう疲れた」という気分になった時の対処法についてまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

◇(1)睡眠をとる

「もう疲れた」と感じるのは、脳からの「休め」のサインです。脳を休めるために、しっかり睡眠をとりましょう。

ただし、浅い眠りではしっかり休んだことにはなりません。

毎日、深く眠るためには、就寝前の2時間の過ごし方が肝心です。

食事は就寝の2時間前まで。飲酒も同じく2時間前までが理想です。就寝する直前の飲食は、内臓の働きを活発にして眠りが浅くなってしまうからです。

そして、寝る前の2時間はスマホやテレビを見るのは控えた方がいいでしょう。目が光の刺激を受けると自律神経が高ぶってしまって眠りが浅くなります。

寝る前の2時間はゆっくりお風呂に入ったり、軽くストレッチ運動をしたり、読書をしたりと、のんびり過ごすことがおすすめ。アロマオイルの香りでリラックスするのも効果的です。

◇(2)お風呂に入る

スムーズに深く眠るためには体を温めることが有効です。入浴方法を工夫すると、良質な睡眠がとれるようになります。

例えば、お湯の温度を少しぬるめ(40℃程度)にしてゆったり湯船につかると、身体の芯まで温まります。

長く入ってのぼせないためには10~20分くらい半身浴をするのもいいでしょう。

◇(3)誰かに話を聞いてもらう

おそらく今まで自分一人でなんとかしようと頑張ってきたのではないかと思います。

不安、焦り、不満といった気持ちを抱えながらも、自分を鼓舞し続けて必死に耐えてきたのではないでしょうか。

つらい気持ちは、誰かに聞いてもらうことで不思議なくらいに軽くなるものです。黙ってじっと話を聞いてくれる相手に、正直な今の気持ちを話してみてください。

その時は、弱音を吐いても愚痴を言っても構いません。言いたくても言えなかったことや抑え込んできた本音を言葉にして声に出してみると、それだけでもスッキリすることもあります。

悩みを聞く専門家である心理カウンセラーに相談する機会があれば、なおいいでしょう。また頑張ってみようという元気が湧いてくるかもしれません。

■「もう疲れた」と感じた時にやってはいけないこと

「もう疲れた」という気分になった時の対処法を説明しましたが、反対にやってはいけないこともあります。

これをやってしまうと、より状況が悪くなるというNG行動は次の3つです。

ついやってしまいがちなことなので、十分に注意してください。

◇(1)さらにがんばり続ける

疲労感を抱えながらがんばり続けることは、一向に疲れがとれないばかりか、仕事の能率が落ち、クオリティも悪くなるというデメリットがあります。

それでも無理して頑張り続けていると、最悪のケースでは、精根尽き果てて鬱的な状態に陥ってしまうこともあります。

そうなると、心療内科やメンタルクリニックに通院することにもなりかねませんので、やはり無理せず休みを取ることはとても重要です。

◇(2)自分を責める

頑張り屋さんほど、うまくいかないときに自分を責める傾向が強いので、あまり自分を責めすぎないように注意する必要があります。

「うまくいかないのは私の努力が足りないからだ」と自分を責めるのは、自分自身を否定することです。

自己否定が常態化すると、自分に自信が持てなくなり、前向きに考えることができなくなります。

自分を責めるのではなく、「私はよくやっている」と自分で自分をねぎらう習慣を意識的に取り入れてほしいと思います。

◇(3)周囲の人にストレスをぶつける

「もう疲れた」と感じていると、ついイライラして周囲の人に当たってしまうときがありますので、これも注意した方がいいでしょう。

疲れがたまる原因となっている相手に対してではなく、まったく関係ない家族や友人などに当たってしまうことも多く、八つ当たりされた方としては、とんだ災難です。

自分でも知らず知らずストレスを抱え込んでいると、こういう行動をしがちになります。

そうならないためにも、問題を自分一人で解決しようとせず、周囲のアドバイスやサポートを得て、行き詰った状況に対処していくようにしましょう。

自分だけで抱え込まず、周囲の協力を得ながら試行錯誤を繰り返していけば、必ず道は拓けていくものです。

■自分一人で抱え込まず、周りの人を頼ってみよう

頑張り続けた結果、「もう疲れた」と感じてしまうのは、意欲的で努力家だからです。

頑張り続けるのはもちろん良いことですが、時にはいったん立ち止まることも必要です。

なかなか思うようにうまくいかないのであれば、一人で抱え込まず、周囲に相談してみましょう。すると、停滞していた状況が案外すんなりと好転していくかもしれませんよ。

(笹氣健治)

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