コロナ禍で閉店、突然失職 調理師「再開できると思ったが…」飲食店需要も冷え込み

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4月まで働いていた先斗町通を歩く男性調理師。人通りはまばらで、休業している店が目立った(京都市中京区)

 新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店の客足が激減した影響で、勤めていた京都市の繁華街・先斗町(中京区)の飲食店が閉店し、失職した40代の男性調理師が25日までに京都新聞社の取材に失意と不安を語った。

■緊急事態解除も繁華街の人出少なく 「以前の盛況、戻ると思えぬ」

 男性調理師は、先斗町で数十年続いていたおばんざい店に、正社員として勤めていた。国内からの観光客が多く訪れる店で、経営は順調だったが、3月下旬から客足が激減しゼロという日も出てきた。このためオーナーが「しばらくは店を開けるのは無理」と4月上旬から休業した。
 ゴールデンウイーク明けには再び店を開けるつもりでいたが、4月下旬にオーナーから「継続は難しい、申し訳ない」と5月上旬で店を閉めるという連絡が来た。「突然だった。もう少しで再開できると思っていたのに」
 23歳で料理人として働き始め、先斗町や貴船(左京区)の和食店で腕を磨き、「いつかは自分の店を持つため」と資金をためてきた。しかし失職で月約30万円あった収入はゼロに。男性はハローワークで失業給付金を申請し、食品関係の仕事を探している。だが飲食店需要が冷え込んでおり、「この先コロナが収まるのかも分からない。どんな仕事をしていくのか、見通しはつかない」と不安を語る。
 先斗町や木屋町、祇園など京都の繁華街では「営業自粛」の店が目立ち、人出は戻っていない。男性は「緊急事態宣言が解除されても、観光客で沸き返っていた状況に戻るとは思えない。自分のように失職する料理人が増えてくるのでは」と心配すると同時に「京都は観光客に頼りすぎてきた面もある。再び飲食店の仕事をするなら、地元の人に愛される店づくりをしていきたい」と前を向いた。