WorldRX:グエリエリがeシリーズ参戦。アブダビ戦でシャイダーのチームメイトに

 WorldRX世界ラリークロス選手権にパーマネント登録でシリーズ参戦するALL-INKL.COM Muennich Motorsportは、今週末5月31日に開幕する新たなeスポーツ・シリーズの『WorldRX Esports』開幕戦に向け、同じくツーリングカー最高峰のWTCR世界ツーリングカー・カップでエースを務めるエステバン・グエリエリを招聘。WorldRXレギュラーのティモ・シャイダーと2台体制で参戦すると発表した。

 新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行を受け、シリーズ開幕が延期されているWorldRXだが、その期間を埋めるべくこれまで2戦を開催してきたeスポーツ・イベント『World RX ESports Invitational Series』の世界的な成功を受け、新たに全4戦のeスポーツ・シリーズ立ち上げをアナウンスしている。

 その開幕戦WorldRX Esports Abu Dhabi(ヤス・マリーナ)ラウンドに向け、シリーズに参戦するドイツ系チームは、現実のチャンピオンシップでもエースを務める元DTMドイツ・ツーリングカー選手権王者のシャイダーに加えて、アルゼンチン出身のツーリングカー・マイスターを起用することを決めた。

 WTCRではFK8ホンダ・シビック・タイプR TCRをドライブし、2019年もタイトル争いを繰り広げたグエリエリは、このオフシーズンにWorldRX同様シムシリーズを開催したWTCRでも、最終ラウンドで仮想空間初優勝を飾っており、その『pre-season Esports WTCR』での成功をラリークロス・デビューでも再現したいと意気込んでいる。

 2019年のフランス・ロエアック戦でチームを表敬訪問していたグエリエリは、そのときの経験をベースに、eスポーツ・シリーズで採用されるゲーミングプラットフォームの『DiRT Rally 2.0』での修練を続ける必要があると語った。

2019年WTCRでは最終戦までタイトルを争ったエステバン・グエリエリ。次は仮想空間でのラリークロス・デビューに挑む
シリーズ延期中には『pre-season Esports WTCR』にも参戦し、最終戦で待望の初勝利をマークした

「チームが走らせているラリークロス用スーパーカーをテストしたことはないけれど、昨年フランスで開催されたイベントでチームを訪問したときは本当にクールだった」と振り返ったグエリエリ。

「それ以来、僕もいつかはラリークロス・イベントに参加したいと考えていたんだ。もちろん、DiRT Rally 2.0の経験はほとんどないから、今週は真剣に練習する必要があるだろうね」

 ラリークロスではルーキーとなるグエリエリは、仮想空間での競技デビューを前に、チームメイトを務めるシャイダーから新たな環境への対応とカテゴリーの流儀について、有益なアドバイスがもたらされることを期待している。

「偉大なツーリングカードライバーである彼とは、ラリークロスに関してまだ多くの情報を共有していないけれど、きっとそうすることになるだろう。そう、彼にはそうしなければならない理由があるんだ」

「なぜなら、彼がWTCRにワイルドカード参戦した際には、僕があらゆる情報を彼にフィードバックしたからね。その好意に報いる必要があるだろう?(笑)」

「いずれにせよ、どんな種類のレース(リアルでもバーチャルでも)であれ、うまくやりたいなら入念な準備が必要で、僕も良い妥協点を見つけたいと思う」

 そう抱負を語るグエリエリだが、『WorldRX Esports』デビュー戦に向けたテーマは「学ぶことと、楽しむこと」という控えめな目標を掲げた。

「おそらく、この数日は毎日2~3時間はシミュレーター漬けになるだろうね。僕の希望は新たな挑戦の分野を発見することで、いつだってそれはモチベーションを駆り立てるものだ。今回も絶対に楽しいはずだよ!」

仮想空間でも、ALL-INKL.COM Muennich Motorsportが走らせるセアト・イビーザRXスーパーカーを使用する予定だ
2018年最終4戦のアジア・ラウンドでWTCRにもチャレンジしたティモ・シャイダー。グエリエリを引き上げられるか

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