日本では大掃除というと年末にやるイメージですが、欧米では「スプリング・クリーニング」という言葉があり、春の暖かい時期に大掃除を済ませる風習があるようです。
実は、四季のある日本においても、春先の掃除は非常に効率的。
梅雨に大発生するカビの原因となるのは「湿気」、「ホコリ」、「皮脂よごれ」、「石鹸カス」などですが、春先にこれらを取り除いておくことで、梅雨のカビ対策になります。
また、暖かくなるとどこからか湧いてくるコバエも、冷蔵庫や水回りの汚れが原因です。
梅雨を快適に過ごすために、まだ間に合う! カビとコバエ対策をしっかり済ませておきましょう。
【1】水を使うのが苦にならないこの時期に掃除したい「窓・網戸」
「梅雨に入ったら雨で汚れるから」と後回しにされがちな窓と網戸は、春の花粉や黄砂はもちろん、意外にも皮脂汚れもべったりついています。
これらはカビの発生原因につながるので、梅雨前にしっかり落としておくのが大切。
網戸も同様にホコリや外部の汚れがたまっています。
空気の入れ替えを頻繁にしたい梅雨時は、窓を開けて網戸で過ごすご家庭も多いですが、汚れた網戸では汚れた空気を取り入れているのも同然です。
夏の時期を快適に過ごすために、窓周りの掃除は梅雨前に済ませておきましょう。
掃除方法と便利アイテム
窓・網戸の掃除に活躍するのが新聞紙です。
新聞紙のインクが皮脂をはじめとする油分を吸い取る効果があるそうで、軽く濡らした新聞紙で窓を拭くと皮脂などで汚れた部分はピカピカになります。網戸のホコリも、新聞紙を裏面に当てると掃除機できれいに吸い取りやすくなりますよ。
その後は網戸専用のシートで拭くだけでOK。窓がきれいになると部屋も明るく感じるため、梅雨の憂鬱さも軽減できそうです。
【2】カビの温床になりがちな「浴室」
カビがもっとも発生しやすいのが浴室です。
毎日ささっと掃除をしていても、細かい部分やタイル目地などにはカビの根がすでに住み着いている可能性が。
掃除方法と便利アイテム
そんなカビの温床となるお風呂の掃除に便利なのが、「オキシクリーン」です。
「オキシクリーン」とは、酸素系漂白剤です。
衣類のシミや汚れはもちろん、お風呂場のカビ除去などにも使えるなど塩素系漂白剤と同じような役割を持っています。さらに、塩素系よりも刺激が少ないため、幅広い掃除で活躍するアイテムです。
浴槽に「オキシクリーン」を溶かしたお湯をため、中に風呂蓋や桶、椅子、お風呂場のおもちゃなどを入れて放置するだけで、水垢やカビが落ちてピカピカになります。
「オキシ漬け」と呼ばれるこの方法、ぜひ、試してみてください。
【3】常にきれいに保ちたい「キッチン」
キッチンはカビもコバエも発生しやすい箇所です。
梅雨前に徹底した掃除を済ませておきましょう。
掃除方法と便利アイテム
キッチン掃除に便利なアイテムは、塩素系漂白剤とキッチン用アルコールスプレーです。
まず、冷蔵庫の中から取りかかりましょう。
残り物や食べカスなどがむき出しで残っていると、コバエが嗅ぎつけてしまいます。
一度中に入っているものを全て出し、細かいゴミがあれば掃除機で吸い出してしまいましょう。その後、キッチン用のアルコールスプレーを吹き付けて丸ごと掃除を済ませます。
続いて、排水溝にも油汚れや生ゴミのにおいが残っています。
ブラシでこすり洗いも良いですが、「キッチンハイター」など塩素系漂白剤を使うと簡単にきれいになります。
スプレータイプならそのまま吹き付けて放置、液体タイプならビニール袋の中にお湯と塩素系漂白剤を付属のキャップ1杯程度入れ、排水溝部品を浸し、口をしばって放置しておきましょう。
さらに掃除後の習慣として、夜寝る前に水を10秒ほど全開で流しっぱなしにしておくと排水管に汚水がたまらず、におい防止になります。
【4】いつも快適に過ごすために「フローリング・カーペット」
フローリングやカーペットといった床には、皮脂やホコリが充満しています。
カビやダニにとっては快適な場所でしかないため、梅雨前に一掃しておきましょう。
掃除方法と便利アイテム
フローリングは掃除機とペーパーモップのダブルがけでホコリと皮脂を落とせますが、毛足の長いカーペットについた汚れは落としにくいもの。
そこで便利なのが、重曹水です。
弱アルカリ性の性質を持つ重曹には、酸性の汚れを中和作用によって落としやすくしてくれる効果があるそうです。
カーペットやラグなどの布製品は、掃除機を毛流れの方向だけでなく、反対方向、上下左右からもかけるようにしましょう。
その後、濃度5%程度の重曹水をカーペット・ラグにスプレーし、乾いたタオルで拭き取れば完了です。さらに、大物家具をずらして天日干しをできるのであれば、行った方が良いですね。
【5】意外と簡単!「エアコン・除湿機」
梅雨時はエアコン・除湿機を多用します。
春までに機械の中に残ったカビやホコリ、水分をそのままにしておけば、部屋中にそれらの汚れを撒き散らすことになりかねません。
掃除方法と便利アイテム
エアコン・除湿機で便利なアイテムは割り箸とキッチンペーパーです。
まず、フィルターの掃除から始めましょう。
フィルターを外す前に、掃除機で表面についた汚れを吸い取っておきます。
その後、フィルターをゆっくりと取り外し、フィルターの表側→裏側の順で再び掃除機で細かいホコリを吸い取ります。その後、お風呂場でシャワーを使って水洗いをします。
シャワーはフィルターの裏側からかけることで、残ったホコリの根詰まりが防げますよ。
水洗い後はしっかりと乾いたタオルで拭き、風通しの良いところで乾燥させておけば、フィルター掃除は完了です。
続いてルーバーの掃除は、エアコンの電源を抜いてから、ルーバーの届く範囲を拭き掃除しましょう。
届かない範囲は、割り箸にキッチンペーパーを巻きつけ、輪ゴムで止めて使うと便利です。ルーバー含め、本体部分のホコリ取りはあまり深追いしすぎると故障の原因になりかねません。
可能な範囲でホコリを取り除いていきましょう。
【6】大事な洋服を清潔に保つために「洗濯機」
梅雨時は部屋干しをする機会も多くなります。
すると気になるのが生乾きのにおいです。
生乾きのにおいの原因は、洋服に残った雑菌です。
雑菌は洗濯物の落としきれていない皮脂汚れはもちろん、洗濯槽に残った汚れも原因のひとつです。
洗濯槽をきれいにすることで、洗濯物に残った雑菌洗浄力もアップします。
掃除方法と便利アイテム
洗濯槽の掃除には、市販の洗濯槽クリーナーが便利です。
洗濯槽専用クリーナーで製品の指示通りに掃除を行いましょう。ただし、洗濯機の型番によっては使用できないクリーナーもあるようなので、型番を調べ、適切なクリーナーを調べてから掃除に取りかかるようにしてください。
また、場合によってはクリーナーを使った後に黒い垢のようなものが浮いている場合があります。
100円ショップなどでも見かける「お風呂すくいネット」を使うと、浮いているゴミが簡単にすくえますよ。
掃除を済ませて梅雨を快適に迎えよう
上記の箇所さえ掃除を済ませておけば、梅雨時の掃除の負担を減らせます。ジメジメとした嫌な季節ですが、家中スッキリとし心地良さを感じられれば、気分も少し軽くなるのではないでしょうか。
梅雨前に掃除を済ませ、快適に過ごせるようにしましょう。