コロナ禍のPTA活動に疑問の声 ビデオ会議導入など、見直す動きも

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ビデオ会議のアプリを使い、タブレット端末でPTA役員と話し合う黒髪小PTAの宮村亘会長=熊本市中央区

 新型コロナウイルスの感染を防ぐため休校している学校に、PTA活動のため保護者が集まることを疑問視する意見が熊日の「SNSこちら編集局」に寄せられた。当面の活動自粛を決めたPTAもあるなど対応が分かれる中、コロナ禍を機に活動を見直そうとする動きも出ている。

 熊日に声を寄せた熊本市の40代女性は、緊急事態宣言の対象が全国に拡大した直後の4月中旬、PTA執行部の作業への参加を呼び掛けるメッセージをLINE(ライン)で受け取った。

 休校が始まった3月2日以降、女性が作業や打ち合わせへの参加を呼び掛けられたのは4回目。ほぼ毎回、小学生の娘と幼稚園児の息子の2人を連れ、学校の狭い会議室に集まった。多い日は8人が集合。「おかしい」と感じていた。

 女性は悩んだ末、参加を呼び掛けた保護者とPTA会長に不安を訴えた。会長が学校と協議し、校内での活動自粛が決まったが、保護者の間に気まずい雰囲気が残ったという。女性は「例年通りやらなければという責任感からの呼び掛けだったと思うが、現状を冷静にみてほしかった」と残念そうに語った。

 一方、熊本市中央区の黒髪小PTAは4月下旬、当面の活動を控えるため、5月の総会中止や1学期中の会費徴収見送りなど6項目をまとめた対応方針を会員に通知した。

 3~4月は新旧役員の引き継ぎや会計監査、総会の準備などが集中する時期。外出自粛が求められる中、任された仕事の進み具合を心配する保護者もいた。同校PTAの宮村亘会長(45)は「今は家族の安全を最優先する時期だということを共有したかった」と対応方針を通知した意義を説明する。

 熊本市PTA協議会は4月下旬、各PTAに注意を促そうと、文部科学省が学校関係者に通知した感染防止策をホームページに掲載した。新年度総会を書面で決議する方法なども紹介したが、対応には温度差も。同協議会は「個別の活動については、あくまで各PTAの判断」と説明する。

 宮村会長は副会長を経て、現在は会長2年目。強制のように思われがちなPTA活動のイメージを変えようと、委員会数を大幅に減らしたり、「活動はできる人でやりましょう」と呼び掛けたりしてきた。

 最近は、役員の会議にビデオ会議のアプリを導入。「保護者がPTA活動のためだけに学校へ出向く負担の軽減にもつながる。新型コロナへの不安は続くが、PTA活動を見直すチャンスになればいい」と話している。

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 わが子が荒尾市から転校し、熊本市の小学校でもPTA会長を務めることになった。コロナ禍がPTA活動に及ぼす影響は今後も続くと思うが、宮村さんは活動見直しの「チャンス」と捉えた。「新しい生活様式」に添ったPTAの在り方を探っていきたい。(原大祐)

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