番組が公平中立違反とBBC ロックダウン中に移動した英首相側近めぐる司会者発言

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英BBCは27日、前日夜に放送した報道番組「ニューズナイト」について、ボリス・ジョンソン英首相の上級顧問がロックダウン中に国内を移動していた問題をめぐり、番組司会者の冒頭発言がBBCの公平中立基準を満たしていなかったと発表した。

26日夜の「ニューズナイト」は、ドミニク・カミングス上級顧問が新型コロナウイルス対策のロックダウンの最中に国内を移動していた問題を取り上げた。番組冒頭でエミリー・メイトリス司会者は、カミングス氏が「ルールを破った」ことが「この国には分かる」と発言した。

これについてBBCは、番組がカミングス氏について「検証していく複数の論点のサマリー」としての発言だと、メイトリス氏は明確にするべきだったと表明した。

BBCは番組スタッフに、BBCとしての公平中立ガイドラインを念押ししたという。

国中が「衝撃を受けている」

メイトリス氏は番組の冒頭で、首相側近がロックダウン中にロンドンから北東部ダラムまで400キロ以上を移動したのはルール違反だと、英政府がそう受け止めないことについて、国中が「衝撃を受けている」と述べた。

メイトリス氏はさらに、「激怒と軽蔑、そして悲嘆」がいまの国民感情だと述べ、大変な思いをしながら政府ルールを守ろうと苦労した人たちは今やカミングス氏のせいで、「自分がばかみたいだ」と苦汁をなめる思いをしていると続けた。

「こうしたことは何もかも、首相は承知しています。それでもなお、閣外相が1人辞任し、与党の平議員の間でも不安が高まり、支持率急落という赤信号が出ていて、国中がひどく動揺しているにも関わらず、ボリス・ジョンソン氏はあえて無視することにしたのです」

「首相によるこの盲目的な忠誠心から、首相官邸の仕組みが今どうなっているのか、番組でこれから検討していきます」

「公平中立の基準を満たしていない」

BBCは27日の声明で、「冒頭部分を含め、昨夜のニューズナイト全体を見直した」と発表した。

「番組には公正で合理的かつ厳密な報道内容が含まれていたものの、冒頭部分については、番組中で証拠と共に検討していく複数の論点のサマリーなのだと、もっと明確にすべきだったと考える」と、BBCは見解を示した。

「このため、我々が放送した冒頭部分は、我々の公平中立基準を満たしていないと考える」

カミングス氏の主張

カミングス氏をめぐっては、3月下旬に妻子と共にロンドンから北東部ダラムまで400キロ以上を長距離移動していたことが先週明るみになり、国内の注目を集めている。

カミングス氏は25日に首相官邸の庭で記者会見し、ダラムへ向かった理由について、自分と妻が新型ウイルス感染の症状を示していたため、ダラムに住む親類に4歳の息子の世話をしてうためだったと説明した。4月半ばにダラム近郊の観光名所に妻子を乗せて自動車で向かったことについては、新型ウイルス感染のせいで視力が落ちたため、ロンドンまで運転できるか視力を試すためだったと話した。

ジョンソン氏は27日、カミングス氏の行動について調査するつもりはないと言明。この騒ぎはもう終わりにして次のことに「切り替える」時だと強調した。

(英語記事 Newsnight 'breached BBC impartiality guidelines'