盲導犬が訓練できない!?「自粛」の影響はこんなところにも…

長年盲導犬を育てている小出ディレクターが、1年ほど前から育てている盲導犬の候補。5月末に盲導犬協会へ返す予定だったのですが、延期になってしまったといいます。

盲導犬は生後50日ほど経つと、子犬を育てるボランティアのもとで通常1年ほど暮らします。
記者のもとで育てた子犬の引き上げは当初5月の予定でしたが、6月に延期となりました。理由は、新型コロナウイルスの影響です。

「3密」避け委託修了式ができない!人混み少なく訓練もできず

1年間一緒に暮らした子犬と、もう会うことができないかもしれない。だから、委託修了式をやりたい。しかし、多くの家族が集まる修了式の場では、「密接」「密集」が避けられない…。
そこで今回は、やむなく延期の判断となったそうです。

さらに、盲導犬は人込みでもスムーズに歩けるよう訓練を重ねていきますが、外出自粛で人が少ないため、訓練にも影響をきたしています。

盲導犬と視覚障がい者との訓練も、指導員との接触が考えられるため、事実上訓練ができなくなっている状態…。
子犬たちの卒業のめどがつかず、盲導犬協会のスタッフも困っているそうです。

北海道内では、年間12~13匹の盲導犬を育成していましたが、盲導犬の需要は高く、常に約25人ほど待機している状態です。
このため、新規に申し込むと、3年ほど待たなければなりません。

飲食店の休業やイベントの中止も影響!?募金収入が減り不安を感じている

飲食店などに置かれている「ミーナの募金箱」。盲導犬の育成のため、北海道内で6,000か所設置された募金箱には、年間約3,000万円が寄付されます。

しかし、飲食店の営業自粛やイベントの中止によって寄付金を集めることができず、街頭募金もできない状況。
3~4月くらいからすでに30%以上募金収入が減って、非常に大きな不安があるといいます。

5月1日に札幌の宮岸さん宅で、将来盲導犬を目指す5匹の子犬が誕生しました。

新たに誕生した命を大切に育て、社会に届けたい。
盲導犬協会では、ホームページなどを通じ、寄付を募っています。

北海道盲導犬協会HP
http://www.h-guidedog.org/

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