【MLB】ジム・キャリスによる最新ドラフト指名予想

メジャーリーグ公式サイトのジム・キャリスが2020年ドラフトの1巡目の予想の最新版を公開した。

どの球団が誰を指名するかという予想に加えて、各球団の指名に関する詳しい情報も書かれているので、それを簡単に訳したものと、指名予想を一緒に紹介したい。

1位 タイガース:スペンサー・トーケルソン(1B)、アリゾナ州立大
タイガースが、素晴らしい打撃力を有したトーケルソン以外を指名するとしたら驚きだ。プランBとしてはエイサ・レイシーが考えられる。

2位 オリオールズ:オースティン・マーティン(OF/3B)、バンダービルト大
オリオールズの指名には3つのシナリオが考えられる。1つ目は、今ドラフトベストのピュアヒッターのマーティンを指名する。2つ目は、ニック・ゴンザレスを指名して契約金を抑えて、以降の指名でそれを活用する。そして3つ目は、レイシーを指名する、というものだ。

3位 マーリンズ:エイサ・レイシー(LHP)、テキサスA&M大
マーリンズは、トップ3として評価される3人(トーケルソン、マーティン、レイシー)の中で残った選手を指名する可能性が高い。もしマーティンとレイシーの両方が残っていた場合は、スカウト部門にバンダービルト大の関係者がいるため、マーティンを選びそうだ。

4位 ロイヤルズ:ニック・ゴンザレス(SS/2B)、ニューメキシコ大
2018年のドラフト1巡目の3つの指名で大学生投手を指名して成功を収めたため、それに続くと思われていたが、トップ3がスリップしてこない限りは2人の打者に焦点を絞ったようだ。ゴンザレスか、打撃力を高く評価されたフロリダ州の高校生、ザック・ビーンのどちらかを指名する可能性が高い。

5位 ブルージェイズ:ザック・ビーン(OF)、スプルース・クリーク高
ブルージェイズはゴンザレスまたはビーンの、ロイヤルズが指名しなかった方を指名しそうだ。投手の最有力候補は、マックス・マイヤーが考えられる。

6位 マリナーズ:エマーソン・ハンコック(RHP)、ジョージア大
MLB.comの開幕前のNo.1プロスペクトだったハンコックだが、データ重視のチームにとってハンコックのデータが魅力的でないためにスリップするのではないかという話が出ている。マリナーズは大学生重視のドラフトをするチームで、ゴンザレスを優先するかもしれないが、投手ならマイヤーやリード・デトマーズよりもハンコックを優先するだろう。

7位 パイレーツ:ヘストン・ケアスタッド(OF)、アーカンソー大
パイレーツは明らかに大学生野手を狙っている。残っている中でベストの3人は、ベストのパワーを持つ左打者のケアスタッド、ベストのオールラウンダーのギャレット・ミッチェル、ベストのCのパトリック・ベイリーだ。

8位 パドレス:マックス・マイヤー(RHP)、ミネソタ大
パドレスに関する情報は相反したものがある。ハンコック、マイヤー、デトマーズというトップの大学生投手の中から選択できる可能性があるし、高校生ベストのピュアヒッターでOFのロバート・ハッセルとの関係も継続的に報じられている。

9.ロッキーズ:リード・デトマーズ(LHP)、ルイビル大
ロッキーズはビーンかケアスタッドの方を好むかもしれないが、大学生投手トップ4(レイシー、ハンコック、マイヤー、デトマーズ)の中から残っている選手を指名する可能性の方が高いだろう。

10位 エンゼルス:ロバート・ハッセル(OF)、インディペンデンス高
もしパドレスがハッセルを指名した場合は、エンゼルスはマイヤーかデトマーズを指名するだろう。

11位 ホワイトソックス:パトリック・ベイリー(C)、ノースカロライナ州立大
1巡目指名予想はこの辺りから難しくなる。ベイリーは大学生投手のトップ4がスリップしてこない限りは、11番目の指名候補として挙げられ続けている。ホワイトソックスは野手のハッセル、オースティン・ヘンドリック、エド・ハワード、タイラー・ソダーストーム、投手のミック・エイベル、ジャレッド・ケリー、ニック・ビツコなど高校生についても熱心に調査している。

12位 レッズ:オースティン・ヘンドリック(OF)、ウエスト・アルゲニー高
高校生OFのハッセルとヘンドリックがレッズの筆頭候補のようだ。他の候補としては大学生のベイリー、ミッチェル、投手のケイド・キャバリ、同じく投手のギャレット・クローシュなどがいる。

13位 ジャイアンツ:ケイド・キャバリ(RHP)、オクラホマ大
ジャイアンツはレッズと同じ大学生を候補として考えているが、エイベルやソダーストームを指名する可能性もある。

14位 レンジャース:ギャレット・クローシュ(LHP)、テネシー大
高校生、大学生問わず候補として考えている。ビーンが残ってる可能性は相当低いが、ハッセルが残っていれば指名するだろう。昨秋と今春の限られた試合でTOP10級の持ち球を見せたと同時に、肩の張りのため安全をとって3週間欠場したクローシュは、今ドラフトのワイルドカードともいえる存在だ。

15位 フィリーズ:ギャレット・ミッチェル(OF)、カリフォルニア大ロサンゼルス校
5ツールプレーヤーとしてのポテンシャルと、1型糖尿病を持っており、大学121試合で6本塁打のみと、分かりやすい魅力と分かりやすい懸念点を持ったミッチェルもクローシュと同様にワイルドカードと呼べる存在だ。最近はフィリーズがビツコを指名するということが話されている。高校生投手トップ3(ビツコ、エイベル、ケリー)の誰もが候補として考えられる。

16位 カブス:タイラー・ソダーストーム(C)、ターロック高
カブスは若いアマチュア打者の育成に定評があるため、ハッセル、ヘンドリック、ハワード、ソダーストームなどの高校生野手の名前が挙げられることに不思議はない。また投手を集める必要もあるため、クローシュや高校生投手トップ3なども候補として考えられる。

17位 レッドソックス:ミック・エイベル(RHP)、ジェズイト高
サイン盗みへの制裁として2巡目の指名権を失ったため、レッドソックスは1巡目の指名でポテンシャルの高い選手を狙っている。この指名予想では初めて高校生投手を指名するチームとした。また、ハワードやピート・クロウ=アームストロングの現実的な最上位指名位置はここかもしれない。

18位 ダイヤモンドバックス:ニック・ビツコ(RHP)、セントラル・バックス・イースト高
ビツコがドラフト年度を2020年に変更してから、スカウトの前で投げられたのは3月4日のブルペン登板のみである。スカウティングする機会の少なさは、高校生投手のリスクの高さを大きく感じさせる役割を果たしたが、3つのプラスピッチと優秀な制球には無視するには難しい魅力がある。ダイヤモンドバックスにはここでクロウ=アームストロングを指名して、1巡目補完の全体33位までビツコが残っていることを願う、という手段もあるが、ビツコがそこまで指名を受けないことはほとんど考えられない。

19位 メッツ:コール・ウィルコックス(RHP)ジョージア大
キャバリやウィルコックスなどの大学生右腕を指名する可能性が高い。野手ではソダーストームの指名も考えらえる。

20位 ブリュワーズ:ピート・クロウ=アームストロング(OF)、ハーバード・ウエストレイク高
クロウ=アームストロングは昨夏の始まりの頃のように高校生ベストという立ち位置ではないが、ショーケースでの不振を春先の活躍で帳消しにした。ここがクロウ=アームストロングの指名の最低位置のように感じられる。20位台の指名権を持っている他のチームのように、キャバリ、ウィルコックス、カルメン・ムロジンスキー、ブライス・ジャービス、ボビー・ミラー、タナー・バーンズ、クリス・マクマホン、スレイド・チェッコーニ、C.J.バン・アイク、クレイトン・ビーターらの、層の厚い大学生右腕の中から選ぶことも考えられる。

21位 カージナルス:ジョーダン・フォスキュー(2B)、ミシシッピ州立大
打撃力が売りのフォスキューが以前思われていたよりも高い順位で指名を受けるだろうという考えが広まってきている。10位台での指名もあるかもしれない。大学生右腕もここの指名の候補だ。

22位 ナショナルズ:クレイトン・ビーター(RHP)、テキサス工科大
もし春の試合もなしに評価を上げられた選手がいたといしたら、それはビーターだ。過去にトミー・ジョン手術を受けたため実戦での結果は少ないが、空振りを奪うことのできる球を持っている。もしウィルコックスが残っていることがあれば、よりここでの指名にフィットする。

23位 インディアンス:ディロン・ディングラー(C)、オハイオ州立大
インディアンスのある同じオハイオ州出身のディングラーは、他のCよりも優れた運動能力と守備力をもっており、打撃力も春に改善している。もしディングラーが指名済みの場合は、大学生右腕が候補だ。

24位 レイズ:ジャレッド・ケリー(RHP)、レフュリオ高
高校生トップ3がどこで指名されるかを予想することは、ダーツを投げることに似ている。傾向としてはドラフト1巡目で高校生投手を指名することには及び腰なチームが多い。レイズは高校生投手の育成が上手く、ケリーのポテンシャルの高さはドラフトがこのように進んだ場合に残っている大学生右腕に勝っている。

25位 ブレーブス:クリス・マクマホン(RHP)、マイアミ大
ブレーブスはポテンシャルの高い選手を狙っており、高校生投手トップ3の誰かを狙う可能性が高いが、ここのスロットバリュー(割り当てられた契約金額、必ずしもそれ以下の額で契約する必要はないが、ドラフト全体で一定額以下に収める必要がある)である412万7800ドル以内で契約することは難しそうだ。ソダーストームが残っていることもなさそうで、大学生右腕の誰かを指名することになるか。

26位 アスレチックス:ボビー・ミラー(RHP)、ルイビル大
ディングラーを欲しがるかもしれないが、この順位は「現実的に指名できる」というよりは「残っていた場合に必ず指名される位置」であり、やはり大学生右腕の指名になりそうだ。ツールは目立つが三振の多さが敬遠されるアーカンソー大のSSケイシー・マーティンが高い順位で指名されるとすればここになるかもしれない。

27位 ツインズ:カルメン・ムロジンスキー(RHP)、サウスカロライナ大
ツインズと関連付けられているのは、ディングラー、フォスキュー、アリゾナ大のCオースティン・ウェルズ、ベイラー大のSSニック・ロフティンや、大学生右腕たちだ。

28位 ヤンキース:エド・ハワード(SS)、マウント・カーメル高
ヤンキースはゲリット・コールと契約した関係で2巡目と5巡目の指名権を失っており、1巡目では野手を狙っている。ハワードは今ドラフトでベストの真のSSで、もっと早く指名される可能性が高いが、残る可能性もなくはない。アリゾナ州の高校生SSカーソン・タッカーの方がより現実的な候補だが、タッカーも評価を上げており、早く指名される可能性がある。

29位 ドジャース:スレイド・チェッコーニ(RHP)、マイアミ大
ドジャースも大学生右腕を指名すると予想するが、ハワード、フォスキュー、ロフティン、タッカー、ミシシッピ州立大のSSジョーダン・ウェストバーグなどのIFの指名も話されている。

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