「極めて厳しい」で据え置き、設備投資など下方修正=月例経済報告

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[東京 28日 ロイター] - 政府は28日、5月の月例経済報告で景気の総括判断を「新型コロナウイルス感染症の影響により、急速な悪化が続いており、極めて厳しい状況にある」とし、4月の判断を据え置いた。4月に引き続き新型コロナウイルスの影響が日本経済に与える影響を指摘。項目別では「設備投資」「輸出」「雇用情勢」の3つを下方修正した。

<先行き「極めて厳しい状況が続く」も、4-5月底でその後は上向き>

4月の月例経済報告では先行きについて「感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクに十分注意する必要がある」としていたが、今月はその文言を削除。5月25日に全都道府県で緊急事態宣言が解除されたことを踏まえ、先行きは「感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを段階的に引き上げていくが、当面、極めて厳しい状況が続くと見込まれる」とした。

内閣府幹部は、4-5月を底として内需関係が上向く可能性について言及。「現状認識としては非常に厳しいが、先行きはさらに下がるというよりは、将来リスクの分布が上に向くのではないか」との見方を示した。

<設備投資・輸出などを引き下げ、輸入は「下げ止まり」と判断>

項目別では、3項目で判断を引き下げた。設備投資は、4月の「おおむね横ばいとなっている」から、「このところ弱含んでいる」に下方修正。

輸出は「このところ減少している」から「急速に減少している」に修正。財の輸出は欧米向けを中心に急速に減少しているが、経済活動の再開が他国に比べて早かった中国は、半導体などが堅調だとした。

輸入は4月の「このところ減少している」から「感染症の影響は残るものの、このところ下げ止まりつつある」とし、中国など段階的に経済活動が再開していることから判断を引き上げた。

<雇用は悪化懸念残る、雇用調整の動向が重要>

雇用情勢は、「足元では弱い動きがみられる」から「弱さが増している」に判断を引き下げた。下方修正は3カ月連続。雇用情勢は実体経済に遅行して動くため、同幹部は「数字上、悪化していくことは懸念している」と指摘する。

3月の失業率は2.5%だったが、「実際の失業率に変化はなくても、失業に至る段階にある労働者の数が増えている」と説明。「雇用調整の動き次第によっては(雇用情勢は今後)悪化するだろう」と警戒感を示した。

(浜田寛子 編集:内田慎一)