コロナ禍で夫の店は経営難、フリーランスの妻は仕事ゼロで離婚危機(1)まずは「持続化給付金」を検討しよう

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情報源を絞ること

今回のようなお問い合わせが増えています。誰も悪気はなく、自分の大切な人へ情報を伝えたくて、医療関係や給付の情報を流していますが、どうしても「伝言ゲーム」には限界があります。こんな時は、情報に振り回されるのではなく、情報のソースを見極めてください。

__●事実なのか/臆測なのか/希望なのか まずは区分けをする
●専門家の発している情報を参考にする
●同じ情報を2~3比較してみる__

多いのが、「〇〇になったらいいな」という情報が、人を介して→「〇〇らしいよ」というふうに転換し、そこから「〇〇だ」と話がすり替わってしまうこと。注意が必要です。

この「ファイナンシャルフィールド」は、お金や制度にまつわる専門家や資格保有者が執筆しています。このように、専門家が集まっているサイトからの情報を参考にするのが無難です。

まずは「特別定額給付」を請求する

<国の給付関係>

■例:一律10万円の給付金(仮称:特別定額給付金)

「給付金」とは、一定の条件が満たされていれば受給できる制度です。「返済せずに国からもらえるお金」です。

今回の様な「緊急支援対策」の場合は、その給付自体にも特別な名称が定まらずに実行されることがあります。今回の新型コロナウイルスによる経済対策「一律10万円の現金給付金」の名称は「特別定額給付金」という名称です。(4月30日現在)この給付金の条件は、4月27日時点での住民票所在地となっています。

世帯主が代表して申請をするので、このご相談者の場合は妻の分と併せて、20万円の申請→受給となります。待っていても給付はされません。必ず申告をしてください。

『持続化給付金』を申請する

この時期、コロナウイルス感染症予防のために休業せざるを得ない店舗や、幼稚園や学校が休園・休校になったため仕事を休まざるを得ないなどの個人のために、国や自治体から「給付金・助成金」という支援があります。4月30日に20年度補正予算案が可決、成立。申請が開始されています。

代表格で5月1日から申請が始まっているのが「持続化給付金です。持続化給付金は事業全般に幅広く使える給付金ですので、ほぼすべての業種に該当します。

適用されない業種は3つ、「風俗」「宗教関係」「給付の趣旨・目的に照らして適当でないないと判断された者」です。また、公共法人・政治団体も対象外です。なお、この給付金は、令和3年1月15日まで申請が可能です。

この給付には大きく分けて以下の2つの特徴があります。

1.中堅・中小法人(一般企業以外にも、医療法人・農業法人・NPO法人)

給付額:200万円上限

※ただし、昨年1年間の売上からの「減少分」が上限。

2.個人事業者

給付額:100万円上限

※ただし、昨年1年間の売上からの「減少分」が上限。

『持続化給付金』を受給できる個人事業者

まず、この給付金には「要件」があります。上述したように、個人事業者の方は100万円(法人は200万円)までの給付があります。ただし、昨年1年間の売上から「減少した分」が上限です。

また、『持続給付金』を受給するのには、下記の要件が必要です。

__●新型コロナウイルス感染症の影響による売上の減少であること
●前年同月比50%以上減少していること__

減少分の方程式=2019年総売上 − 前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月

__●2019年以前から事業収入(売上)がある事業者
●今後も事業を継続する意思があること
●この申請は1回しかできない__

下記の図を参考にもう少し詳しく見てみましょう。こちらは、妻の売上です。

ここで問題になるのが「前年同月比10万円以上減少しているか?」という点です。

1.2020年1月の売上は前年比106%と好調に推移していました。2月はまだ撮影などもあり、前年比70%でしたが、3月に入り「3密注意」の勧告が出ると、撮影や予定していた卒業式のヘアメイク等の仕事が大幅に減少しました。あきらかに「新型コロナ感染症」の影響によるものです。

2.2020年3月は対前年比:33%・2020年4月8.6%となっています。ですから「前年同月比50%以上」はクリアされています。

3.妻は開業5年目です。2019年以前から事業収入はあります。

上記の計算では▲780になりますが、上限は100万円なので、100万で申請をします。もし、まだ上限に達することができない場合は、余裕があれば、来年令和3年1月15日で様子を見ても良いかもしれません。

夫の開業は2019年4月だった

この要件で、妻は該当しているのですが、夫のバーは2019年4月開店ということで該当せず、それが原因で大きく落ち込んでしまったのだそうです。開業の時も、迷いに迷って開店したそうですが、想定以上に大繁盛。だから、余計に昨年オープンさせた自分を責めていたようです。

2019年に創業した人には特例があります。その場合は、下記の様な仮説を立ててみます。

<2019年度開業者の仮説>

・「2019年度の(4月~12月)総売上」÷ 開業月9ヶ月(4月~12月)

=2019年度平均売上

・2019年の平均売上×12ヶ月=2019年度のみなし売上

・2019年度のみなし売上 - 2020年対象月の月間売上×12

50%以上の売上減少していること

夫のバーの売上をあてはめてみると、どうなっているでしょうか?

以上が夫の店のケースの考え方です。4月6日から休業をしていますので、昨年、開業祝いでにぎわいましたら、すでに大幅なダウン。前年比は8%という数字になりました。給付金は満額の100万円受給できそうです。

このご夫妻の場合は、「特別定額支給」と「持続化給付金」併せて、夫婦で220万円受給できます。夫の店の家賃があるので、それでも心配はつきないと思いますが、ご主人の心配は軽減されることでしょう。この給付の要件は「今後も事業の継続をする意思があること」ですから、負けないでほしいですね。

詳細は経産省ホームページをご参照ください(※)。なお、上記とともに「感染拡大防止協力金」の申請も可能です。

(※)経済産業省「持続化給付金」

執筆者:寺門美和子

ファイナンシャルプランナー、相続診断士