【新型コロナ】伊勢原「道灌まつり」中止決定 昭和天皇体調悪化以来32年ぶり

前回のまつりで道灌公に扮し、馬上でポーズを決める県内出身のプロレスラー真壁刀義さん=昨年10月6日、伊勢原市

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、神奈川県伊勢原市は28日、10月に開催予定だった市内最大の観光イベント「伊勢原観光道灌まつり」を中止すると発表した。中止は昭和天皇の体調悪化による1988年以来、2度目になる。

 市などでつくる実行委員会が同日決定した。市商工観光課は「第2、3波の感染リスクを考えると中止せざるを得ない」と話した。実行委会長の髙山松太郎市長は「来年度は市制施行50周年。この節目を新たなスタートとして盛大に開催したい」とコメントした。

 同まつりは68年、当時の伊勢原町の観光振興や、伊勢原で暗殺されたと伝わる室町時代後期の武将・太田道灌の遺徳をしのぶ目的で始まった。市内の寺院で道灌公の墓前祭を行い、2日目にはメインイベント「太田道灌公鷹狩り行列」「北条政子日向薬師参詣行列」を行う。昨年は2日間で約30万人が来場した。

 また、今月31日に大山阿夫利神社で開催予定だった「酒祭り」の中止も決まった。醸造の安全と酒造業界の発展を願って毎年開かれている祭りで、「大山詣(まい)り」にゆかりのある全国の酒蔵の新酒が振る舞われる。

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