相次ぐマイナー選手の大量解雇 1000人を超える可能性も

日本時間5月29日、複数の球団で多くのマイナーリーガーが解雇され、数百人という規模の野球選手が職を失う事態となっている。ESPNによると、マイナーリーグの2020年シーズンは開催されない可能性が高く、まだマイナーリーガーの大量解雇を行っていないチームでも今後数日以内にマイナーリーガーの解雇が行われる見込み。その規模は1000人を超える可能性があるという。

チーム関係者によると、今回解雇された選手の大半は、新型コロナウイルスの感染拡大によってスプリング・トレーニングが中断されていなかった場合、スプリング・トレーニングの終了までに解雇されていた可能性が高いという。しかし、各球団が一斉に多くのマイナーリーガーを解雇し始めたことへの反響は大きく、野球選手としてのキャリアが終わってしまったと感じている選手もいるようだ。

ジ・アスレチックのケン・ローゼンタールは「トランザクションは凍結されており、マイナーリーグの2020年シーズンはキャンセル可能性が高いため、解雇された選手たちは少なくとも2020年シーズン中は戻ってくる場所がないかもしれない」と伝えている。現在の球界にはマイナーリーグの規模縮小、要するに球団削減に向けた動きがあり、今回の大量解雇を機にその動きが加速していく可能性も否定できない。そうなれば、今回解雇された選手たちが野球選手としてのキャリアを継続するのはさらに困難になるだろう。

メジャーリーグ各球団は、4月と5月にマイナーリーガーに対して週給400ドルを支払うことに合意していた。しかし、6月以降の動きについては球団ごとに対応が異なっており、マリナーズやパドレスのように通常のマイナーリーグのシーズンが行われる8月末まで給与の支払いを約束している球団もあれば、ひとまず6月だけ給与の支払いを約束し、その後は1ヶ月単位で判断するとしている球団もある。その一方で、アスレチックスは6月以降は給与を支払わないことをマイナーリーガーへ通達し、大きな批判を集めている。

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