【MLB】マイナーリーガーが大量解雇?その理由とは

大量のマイナーリーガーが解雇されていることを現地のメディアが報じている。メジャーリーグの開幕の目途が立たず、選手の給料をどうするかという点でオーナー側と選手側で折り合いがつかない泥沼の状況の中、経済的に厳しい状況に立たされることになった野球界で一番最初に大きな煽りを受けることになったのが解雇されたマイナーリーガーたちだということなのだろうか?

The Athleticのライター、ケン・ローゼンタールによると必ずしもそうではないようだ。現時点で解雇されているマイナーリーガーのほとんどが、本来ならスプリング・トレーニングの終了時には同じ運命を辿っていた可能性が高いという。コロナウィルスによる影響でスプリング・トレーニング自体が中止、チームのトランザクション(選手の契約や解雇など)が凍結されていたため、今になって大量解雇が発生しているというのが事実のようだ。

彼らのほとんどは今年のマイナーリーグが中止された場合にはプレーをする場所がなく、今年が終わればまた来年プレーするために新しい契約を探す必要のある、つまりぎりぎりの立ち位置で戦っている選手たちなのである。もちろん彼らが軽視されて良いということでは決してないが、「未来のメジャーリーガー」として期待されている選手たちが大量に解雇されているわけではない。

例えば、シアトル・マリナーズが解雇した選手の中に、マイナー契約を結んでいたカルロス・ゴンザレスが含まれているとの報道がある。かつてのオールスタープレーヤーも近年は衰えが著しく、スプリング・トレーニングでも打率.273、OPS.678という平凡な成績に終わり、開幕ロースター入りをする可能性は相当低いということが春の時点で報じられていた。

この大量解雇はマイナーリーグの破滅を即座に知らせるものではないが、コミッショナーのロブ・マンフレッドは現在マイナーリーグのチーム数の削減を目論んでおり、このコロナウィルスによる影響を良い機会とばかりに実際に削減に踏み切る可能性が考えられ、また今季のマイナーリーグの中止が濃厚視されており、いずれにせよマイナーリーガーにとって暗い状況であることには変わりはなさそうだ。

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