通天閣「お帰り、ビリケンさん」2か月ぶり展望台再開  続く緑のライトアップ

 大阪・ミナミのシンボル「通天閣」の展望台が30日、約2か月ぶりに再開した。新型コロナウイルスの感染拡大防止で4月9日から地下の食料品売り場を除き臨時休業していた。

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、大阪府は5月5日に独自の警戒基準「大阪モデル」を発表。通天閣観光と日立製作所は大阪府からの要請を受け、警戒基準の到達レベルを通天閣の“色”で周知。

通天閣の「緑」ライトアップは5月29日まで16日連続

 赤色は警戒レベル、黄色は注意喚起レベル、緑色は基準内。5月11日の午後6時30分から日中もライトアップされている。ライトアップを変更するのは、毎日午後6時30分。また時計部分のLEDビジョンに大阪府のメインキャラクター「もずやん」の表情も表示。

もずやんが笑顔なら基準達成

5月14日に「大阪モデル」の基準が7日連続達成したことから緑色にライトアップされ、29日まで16日間「緑」の通天閣が続いている。

「きょうも緑のライトアップ。うまく写メできるかな」

 「通天閣」では展望台の再開を前に、修復作業を終えた幸運の神様「ビリケンさん」が帰ってきた。

「松久宗琳佛所」仏師・松久靖朋さんらがビリケンさんを設置 (5月29日午前)
ギリギリ「エア・タッチ」

 2012年から通天閣5階の展望フロアに鎮座しているいまの3代目ビリケンさんの背中に10センチほどのひび割れが3か所もあることがわかり、臨時休業期間を利用して京都市の仏像製作所「松久宗琳佛所」で修復作業が行われた。8年間の汚れを布で落とし、背中のひび割れは樹脂で埋め、新たに全身に金粉を施した。また触ると願い事がかなうと伝えられている足の裏にも絵の具を塗り重ねている。

 通天閣の入場者数はここ数年、年間100万人を超えていたが、新型コロナウイルスの影響で3月には去年と比べて60%減となり、4月7日に緊急事態宣言が発令されてからは1日30人という最低入場者数を記録。4月9日から約2か月間、休業していた。その間、各地の観光スポットのお菓子が売れ残り困っている」という声を聞き、入場料がいらない地下入り口のステージのスペースを使って半額で販売するなどしていた。

運営する通天閣観光の高井隆光社長は「ビリケンさんもちょっと疲れて入院していたけど、見違えるようにキラキラに。真打ち登場です!ご利益も増したはずなので、コロナ禍を吹き飛ばす象徴になってほしい。外出自粛と休業要請で通天閣一帯はゴーストタウンのようになってしまった。このピンチの期間をチャンスに(大阪モデルの基準達成を示す)緑のライトアップが希望の光となって、これからも関西を元気づけられたらと思います。但しビリケンさんには『エア・タッチ』でお願い事をして下さいね!」と意気込む。

 営業時間は当面の間、9時から21時(最終入場20時30分)。来場客にもマスク着用やソーシャルディスタンスの確保を呼び掛ける。

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