安倍首相会見、視聴率を落とした言葉は18時9分の「空前絶後」

©株式会社光文社

5月25日、首都圏と北海道で継続されていた新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が解除され、これにより、4月16日から全国に拡大していた緊急事態宣言が全面的に解除された。

解除に先立ち、この日の午後6時から安倍晋三首相(65)による会見がおこなわれた。新型コロナウイルスの流行以降、さまざまな「重大局面」で首相会見が開かれ、有事下でのリーダーシップが強調されてきた。

だが、5月24日の朝日新聞世論調査では、安倍内閣の「支持率」が発足以来最低の29%に落ち込み、「(新型コロナウイルスに対する政府の対応を)評価しない」は57%に上った。盤石だと思われていた安倍政権への支持が揺らぐなか、この会見を国民はどのように見ていたのか。

グラフは、5月25日に「全国的に宣言解除」を表明した会見と、その9日前、5月14日に「首都圏と北海道を除く府県の宣言解除」を表明した会見を中継したNHKの個人視聴率の推移を本誌がまとめたものだ。比較すると、すべての時間帯で5月25日の会見の視聴率のほうが高かった。やはり、「全面解除」への注目度は高かったようだ。

今回、本誌が注目したのは、中継開始以降に上がり続けた視聴率が「最初に落ち込んだ瞬間」だ。

5月14日の会見では、18時16分に視聴率が最初の下降を見せた。一方、5月25日の会見では、経済面への言及を始めた後に視聴率は微減を始め、新型コロナウイルス対策の「2次補正予算」などに言及した18時10分に「底」を打っている。

25日の安倍首相の会見では、14日の会見に比べて6分早く「客を逃がしてしまった」のだ。
その部分で安倍首相が発したのは、「先般の補正予算と合わせ、事業規模は200兆円を超えるものとなります。GDPの4割に上る空前絶後の規模、世界最大の対策によって、この100年に一度の危機から日本経済を守り抜きます」とう言葉。

これから決定する2次補正予算の規模を強調するために、独特なワードチョイスをしたようだが、どうやら悪目立ちするだけだったようで……。

会見中にSNS上では、

「安倍総理の会見、大きな事を言おうとするあまり『空前絶後』とか大きな言葉が出てくるけど、その度にサンシャイン池崎思い浮かべてしまう笑」
「安倍会見『空前絶後の経済対策をしました(キッパリ) サンシャイン池崎かい!!」
「総理会見聴いてるけど『空前絶後』とか『圧倒的』という表現が中ニ病的だよなぁ…」

といった意見が聞かれた。「空前絶後」発言直後に視聴率が「底」まで落ちているわけで、言葉のチョイスとしては失敗だった。

一方、「お金の話」は、14日の会見では好評だった。
18時12分ごろに「2次補正予算」や「雇用調整助成金の日額1万5千円への引き上げ」に言及すると、4.4%で横ばいだった視聴率が4.9%まで一気に上昇。

25日の会見中には、SNS上で、

「200兆の予算のうち、真水はいくらなんだろう」
「解除になるようだし、空前絶後の補正予算とかいつもの自分に惚れる会見だと思うけど、まだマスクは来ない、給付金申請書すら来ない、事業者の申請は滞る…まずはそこなんじゃないかな」

といった声が聞かれた。
ちなみに、中継終了が近づくにつれて高視聴率となっているのは、会見の後の18時45分から『首都圏ネットワーク』(一部地域のみ)、19時からは『ニュース7』と、日ごろから視聴率の高い番組が放送されるためとみられる。