中止となった交流戦はシーズン順位に影響を及ぼすか? 過去5年間の成績から検証

西武・辻監督、巨人・原監督、DeNA・ラミレス監督、ソフトバンク・工藤監督(左上から時計回り)【写真:荒川祐史】

開幕が6月19日に決まったプロ野球だが、交流戦18試合は中止に

2020年のプロ野球の開幕が6月19日に決まった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期となっていたが、政府の緊急事態宣言の解除を受けて、当初は無観客ではあるものの、正式に開幕日が決定した。6月2日から練習試合が行われ、2週間の実戦調整を経て開幕に向かうこととなる。

本来より3か月遅れで始まることになる2020年シーズン。例年と大きく変更となるのが、セパ交流戦の中止、そしてオールスターの中止だろう。クライマックスシリーズについてはセ・リーグが中止、パ・リーグは縮小での開催となる可能性が伝えられている。

その中でシーズンの順位に影響を与えるのが、交流戦だ。異なるリーグの6球団と3試合ずつ戦い、年に18試合を戦うことになる。ここで大きく白星を積み重ねることができれば、ペナントレースでも有利になるし、逆に黒星が増えると、ペナントレースでも苦しくなる。

異なるリーグとの対戦で、各球団の得意不得意もあるだろう。ソフトバンクは過去最多8回の交流戦優勝、最高勝率を誇っており、逆にDeNAは5度、広島は4度の最下位になるなど、あまり得意とはしていない印象が強い。

では、果たして、交流戦の成績がどこまでシーズンの成績に影響を及ぼすのか。過去5年間のシーズン成績と交流戦成績から検証してみよう。昨季から見ていく。

昨季、交流戦で低迷した広島はリーグ間だけなら2位の成績だった

パは西武、セは巨人が優勝した2019年シーズン。シーズン成績から交流戦の戦績を除き、同一リーグ間だけの成績見てみると、若干の順位の違いが出てくる。パでは4位だったロッテと3位だった楽天が同じ61勝60敗4分けで3位に並ぶ。セでは4位だった広島が同一リーグ間では2位、そしてDeNAが4位と順位が逆転することになる。広島は昨季リーグ内では貯金を7つ作っており、セ・リーグ内では強かったと言える。

2018年、西武と広島がそれぞれ優勝したこの年はどうか。この年は優勝やCS争いに交流戦は影響していない。パ・リーグは5位ロッテと6位楽天の順位が入れ替わるだけ、セは交流戦の成績を除いても順位通りの結果になる。2017年はパが順位通り、セは3位だったDeNAと4位だった巨人の順位が入れ替わるだけだ。

2016年のパ・リーグも上位の順位は交流戦を除いても順位は変わらず。5位楽天と6位オリックスの順位が入れ替わるだけだ。セ・リーグも上位の広島、巨人、DeNAの顔ぶれは変わらない。巨人とDeNAが同率2位で並ぶ。直接対決ではDeNAが14勝10敗と勝ち越しており、DeNAが2位、巨人が3位となる。2015年はパは交流戦を除いても順位通り。セ・リーグはヤクルトと巨人が同率となり4位だった広島が、3位になる。ちなみにヤクルトと巨人の直接対決は巨人が勝ち越していた。

こうして見ると、交流戦の結果がシーズンの順位に与える影響はさほどないと言えそうだ。特にセパ共にリーグ優勝したチームは過去5年間、同一リーグ間での対戦成績でも1位となっている。143試合のうちの18試合。強い球団は、その交流戦があろうが、なかろうが、強いということだろう。(Full-Count編集部)

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