陰性乗組員に抗体反応 コロナ客船 長崎大が血液検査

 新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船コスタ・アトランチカで陰性だった乗組員から採取した血液で、長崎大が感染歴を調べる抗体検査をしたところ、陽性反応が出ていたことが29日、分かった。
 同大によると、同船の記録では3月中旬から発熱や体調不良を訴える人が出ており、4月に入っても数人が発熱を訴えていた。3月中旬ごろ感染者が出て、その後、集団感染が発生したと推定されるという。
 クルーズ船の感染者は4月20日に初めて確認された。同大は同21日から4日間で600人超の全乗組員の検体を採取し、ウイルス検査を実施。同時に、抗体検査をするため陽性者144人に加え、陰性者数人の血液を採取していた。
 抗体はウイルス感染により体内で生産される免疫。同大が入院した陽性者1人の血液を継続して調査したところ、入院時の抗体量は陰性者の平均値の3~5倍で、治癒のめどとされる2週間後には6~10倍に増加した。感染後の抗体量の変動が数値で示された。

 


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