「今後の対策に生かす」 県福祉保健部長 病床数など拡充へ

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「今回の取り組みを今後の県内の感染症対策に生かしていきたい」と話す中田福祉保健部長=県庁

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したクルーズ船コスタ・アトランチカが31日に長崎を離れることが決まり、県民に不安を与えた問題が区切りを迎えた。対策の指揮を執る県の中田勝己福祉保健部長は29日の会見で「医療崩壊を起こさずに対応できたことは大きな成果。今回の取り組みを今後の県内の感染症対策に生かしていきたい」と述べた。
 県内の感染者が17人にとどまる中で発生した149人のクラスター。さらなる拡大も懸念されたが、爆発的な2次感染は起きず、重症化も1人にとどまった。中田部長は、長崎大の協力で600人以上を速やかに検査できたことや、遠隔で乗組員の健康状態を管理できるアプリの導入、陸上自衛隊などの医療支援などが大きな要因と説明。「関係者の方々に感謝したい」と頭を下げた。
 「今回は国内問題だけではなく、国際的な問題も含んでいたので、対応に非常に困難なところがあった」とも明かした。乗組員の国籍は30カ国以上。陽性者の帰国では「陰性確認が1度でOK」「2度必要」などと条件がさまざまだった。29日時点で478人の乗組員を帰国させたが、乗組員それぞれの検査結果を管理しながら対応するのが難しかったという。
 中田部長は「出港がゴールではない。入院している乗組員が退院するまでしっかり対応したい」と強調しつつ、今後の県内の新型コロナ対策にも言及。「第2波に備えて準備を進めている。病床数や検査数の拡充など、6月以降を新たなステージとして取り組んでいく」と話した。