長崎原爆の日の式典 規模縮小で開催へ 招待者のみ参列

規模縮小は初 首相や各国駐日大使は調整進める

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平和祈念像

 長崎市の田上富久市長は29日、「長崎原爆の日」の8月9日に平和公園(松山町)で開いている平和祈念式典について、新型コロナウイルスの感染防止のため、今年は参列者数を例年の10分の1ほどの500人規模に抑えて開催すると発表した。市の招待者だけが参列でき、一般参列はできない。参列者数の規模を縮小するのは初めて。記者会見で明らかにした。
 新型コロナを受け、広島市も8月6日の平和記念式典の規模を今年は縮小する方針を示している。
 長崎市によると、原爆犠牲者の遺族や被爆者、子どもたちなど招待する参列者の内訳をはじめ、安倍晋三首相や各国の駐日大使の参列についても調整を進める。国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長は現時点で参列意向という。
 密集を避けるため、参列者の座席間隔を約2メートル確保する。入場時に検温を実施し、消毒液を配備する予定。田上市長による「長崎平和宣言」や被爆者代表による「平和への誓い」は実施する。例年、式典冒頭に合唱を披露している被爆者の合唱団「ひまわり」は参加しない。式典時間は短縮される見通しだ。
 屋内会場となる長崎ブリックホール(茂里町)と長崎原爆資料館ホール(平野町)については、座席数を例年から半減させ、それぞれ約1千人分、約170人分を用意する。
 今年の式典は被爆75年の節目に当たり、当初は東京五輪の閉会式とも日程が重なる予定だったため、市は国内外への平和発信の好機と捉えていた。しかし、式典は規模を縮小し、東京五輪も来年に延期が決定。田上市長は会見で「つらいものはある」とする一方、コロナ同様、核兵器の問題も世界中の人が当事者という点で共通していると指摘。「核のない世界に向け、これまで以上に強いメッセージを出したい」と述べた。