最新の洗濯機、一度使うと手放せなくなる機能とは?高くても買うべきか徹底検証

日々の生活に必要不可欠な”洗濯機”。ドラム式を使っているお宅もあれば、縦型洗濯機を使っているお宅など様々です。

しかし、共働き世帯も増えて来た最近では、「お金をかけても良いから便利な機能がついた洗濯機を買いたい!」という話もよく聞きます。そして、それに応えるように、洗濯機の機能も年々進化。

特に「最新の洗濯機」はスゴイ機能がたくさん付いているという噂を聞いたこともある人も多いのでは?

今回は意外と知らない「最新の洗濯機」のアレコレについて、「縦型洗濯機との違い」や「洗濯音の問題」、「意外なデメリット」までお話しします。


10万円以下の縦型洗濯機と20万越えのドラム式洗濯機、何が違うの?

まず、大きな違いは乾燥機能の能力です。洗濯機に乾燥機能が最初に備わったのは縦型洗濯機です。しかしながらヒーター式の乾燥機能はドラム式洗濯機のヒートポンプ式と比べると優れた乾燥能力を有しているとは言えません。

ドラム式洗濯機のヒートポンプ乾燥は、洗濯槽の冷たく湿った空気を暖かく乾いた空気に熱交換して、60℃ほどの低温風で衣類を乾かすことができます。縦型洗濯機で使われているヒーター乾燥のように100℃近い熱風が使われることはありませんので、衣類へのダメージを軽減させることができ、消費電力も抑えられています。

このように、大きな乾燥機能の差があることから価格差が生じます。さらに、洗濯機の振動を抑えるためのサスペンション機能を担う部品構成は新しい機種ほど進化しており、開発当初には自動車メーカーからアドバイスを受けており、機能以外に目を向けてみても縦型洗濯機とドラム式洗濯機は似て非なる洗濯機です。この辺りも価格差が出る要因のひとつです。

このように縦型洗濯機とドラム式洗濯機には性能・機能共に異なった製品なので、生活スタイルや必要とする機能を価格とあわせて検討するのが良いでしょう。

ヒートポンプ乾燥のドラム式は掃除が面倒?

ヒートポンプ乾燥は、洗濯槽に送られる暖かく乾いた空気で衣類から水分を取り除くシステムです。しかし、洗濯物には水分以外に衣類からの糸くずやホコリも含まれており、それも併せてヒートポンプユニットに戻ってきます。

糸くずやホコリは、ヒートポンプユニットの手前に設置される乾燥フィルターで受け止めていますが、完全な除去までは難しいものがあります。乾燥フィルターを通過してしまった微細なホコリはヒートポンプユニットに付着してしまいます。

また、このようなホコリはヒートポンプユニットだけに付着するとは限りません。暖かく乾いた空気の風路や、湿った空気から熱交換された水分の排水路にも付着する可能性があるのです。

メーカー各社は、自動洗浄機能を組み込むなどの対応策を講じていますが、洗濯槽で空気を循環させる仕組みである以上は手入れを不要とすることは難しいです。

長く使うためにも、取扱説明書を熟読のうえ、正しくお手入れをするようにしましょう。お手入れのためにメーカーから専用の道具が販売されていますので確認してみるのもオススメです。

共働き家庭が気になる、洗濯音の問題は?

メーカー各社の技術は絶え間なく進歩しており、信じられないほど静音な洗濯機が登場しています。その中でも静音効果が優れているのが、洗濯槽を作動させるモーターの回転速度が洗濯や脱水など工程ごとに制御されている「インバーター制御の洗濯機」です。

この、インバーター制御が発明されたことで、モーターの回転数を制御することができるようになり、余計な作動音や振動なども低減されるようになりました。さらに最新の機種であれば、インバーター制御だけでなく夜間モードを備えていることもあるので、さらなる静音効果が期待できるでしょう。

気になる方は、購入前に商品カタログを確認して運転音の大きさを事前に確認することもオススメします。洗濯工程よりも運転音が大きくなる脱水工程に於いて、45dB以下を実現できていれば優秀な静音機能を持ち合わせた洗濯機と考えて間違いはないでしょう。

AI機能付き(洗剤や柔軟剤の自動投入、スマホで管理)の洗濯機はどこが便利なの?

まず便利なのが、「自動投入機能」です。あらかじめ洗剤や柔軟剤を洗濯機内に投入しておくと、洗濯機を回す際に自動的に必要な量を軽量してくれる機能です。これが、一度でも使ってしまうと手放せなくなるほど便利。

まず、毎回、洗剤や柔軟剤を計量し、洗濯機の投入口へ注ぐ手間が省ける。さらに、キャップから洗剤や柔軟剤を床にこぼしてしまったり、投入口から洗剤や柔軟剤が溢れてしまうなどの面倒も一切なし。洗剤を入れすぎて衣類が色落ちしたり、溶け切らずに洗濯槽に残って黒カビを発生させる心配もなし。逆に少なすぎて衣類の汚れ落ちが悪くなることもなし。

洗濯機本来の洗浄力を遺憾なく発揮するための適切な計量が実現でき、人の手間を省くためだけでなく、洗濯機本来の力を引き出すこともできます。

ただし、ニットやシルクのような繊細な素材の衣類は自動投入機能を使わず、適切な洗濯コースを選ぶことが必要です。

もうひとつ、注目すべき洗濯機の機能が「人工知能を搭載する洗濯機」。いわゆる、「AI機能搭載洗濯機」です。数多くのセンサーが衣類の汚れ具合を検知して標準の洗濯工程時間を短縮、延長したり、さらには洗剤の種類を見分け、水温と水硬度を計測して洗剤の量や洗濯工程時間を調整して最大限の洗浄力を引き出してくれます。

スマートフォンとの連携も可能で、専用アプリをインストールすれば居住地域の気象情報に合わせて適切な洗濯モードを提案してくれたり、外出先から洗濯機の運転状況を確認したり、洗濯機の遠隔操作 なども可能です。また、メーカー各社で洗濯コースの種類を更新した場合の情報もアップデートできるなど、これまでの洗濯機の概念をくつがえす機能が数多く盛り込まれています。

最新の洗濯機だからこそ注意したいデメリット

デメリットはやはり「お手入れ」でしょうか。洗剤や柔軟剤の自動投入機能は、お手入れまでは自動で行なってくれないので、定期的なお手入れは欠かせません。

スマートフォン連携機能も、すべてのスマートフォン、タブレット端末で動作保証されているわけではありません。お持ちのスマートフォンがメーカー各社から動作保証が案内されている機種であるか、確認することが必要です。

電話交換機を経由してインターネット接続するダイヤルアップや、モバイルデータ通信端末を経由してインターネット接続するテザリングでは連携できませんので注意が必要です。

適切なモバイル設定、またセキュリティ対策も必要不可欠です。2020年4月の時点で5Gの無線LANブロードバンドルーターに接続できる洗濯機は発売されていないと思いますのでご注意ください。

詳しくは家電商品販売店のスタッフさんに教えてもらうのがベスト。スマートフォン連携機能を有する洗濯機をお求めになるときなど、知識豊富なスタッフさんが力になってくれるはずです。

<構成/青山ネムリ>

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