「竹ン芸」奉納中止 長崎・若宮稲荷神社 密集回避が困難

昨年の秋の大祭で、2匹の白狐が妙技を披露し見物客を沸かせた「竹ン芸」=長崎市、若宮稲荷神社

 10月14、15日に開かれる若宮稲荷神社(長崎市伊良林2丁目)の秋の大祭で奉納される国選択無形民俗文化財「竹ン芸」が、新型コロナウイルス感染拡大を受け、今年は中止されることが30日、分かった。見物客の密集の回避が困難と判断した。
 同日、同神社で竹ン芸保存会のメンバーらによる役員会を開き、決定した。6月中に文書などで関係者に周知するとしている。
 竹ン芸は五穀豊穣(ごこくほうじょう)や商売繁盛を祈願して奉納。同保存会のメンバーが男狐(おぎつね)と女狐(めぎつね)に扮(ふん)し、高さ10メートル以上の青竹の上で命綱なしの芸を披露する。今年の奉納で男狐を演じる予定だった同保存会の光嶋廣之さん(40)は「半年前から筋力トレーニングなどの準備を続けてきた。中止は残念だが、来年は今年できなかった分、頑張りたい」と語った。
 同神社によると、竹ン芸は1800年代に長崎くんちの演(だ)し物として始まり、200年以上の歴史がある。

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