チャンスに強い男たち 2001年のイチローは得点圏打率.445

相手より多くの得点を取ったチームが勝者となる野球というスポーツにおいて、チャンスで多くのヒットを打つことができる打者、要するに得点圏打率の高い打者は非常に重宝される。シーズンごとに変動の大きい指標の1つではあるが、シーズン得点圏打率が高い打者は、少なくともその1年間に限ってはチャンスに強かったということになる。今回はシーズン得点圏打率の歴代記録を調べてみた。

今回のリサーチにはデータサイト「Baseball-Reference」の「Play Index」という機能を使用し、得点圏で100打席以上の打者のみを対象とした。また、1972年以前のデータには不完全な部分があるため、データが完全でない場合はリサーチの対象から除外している。

この条件でリサーチを行った結果、1980年にジョージ・ブレットがマークした得点圏打率.469(130打数61安打)が歴代最高であることがわかった。1980年といえば、ブレットが打率4割に挑戦し、自己ベストの打率.390&118打点を記録したシーズンである。4割に迫る高打率をマークしたブレットは、得点圏でも4割を大きく超える打率を記録していた。

2位は1997年のトニー・グウィンで、得点圏打率.459(146打数67安打)をマーク。上位2人に共通するのは三振の少なさで、グウィンは得点圏での179打席で9三振、ブレットに至っては166打席でわずか5三振しか喫していない。

4位に2001年のイチロー(137打数61安打、得点圏打率.445)、5位に1956年のミッキー・マントルとポール・モリター(ともに108打数48安打、打率.444)と上位にはスーパースターの名前が並んでいるが、そのなかで3位には2013年のアレン・クレイグがランクイン。レギュラー定着2年目となったクレイグはこの年、得点圏打率.454(130打数59安打)をマーク。前年にも.400(125打数50安打)を記録しており、活躍した期間は短かったものの、非常に勝負強い打者だった。

現役選手では、フレディ・フリーマン(ブレーブス)が2013年に得点圏打率.443(131打数58安打)をマークして7位にランクイン。ちなみに、100打席以上での歴代ワーストも2013年のブレーブスの打者が記録しており、メルビン・アップトンJr.は93打数10安打で得点圏打率.108に終わった。

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