『江戸前の旬』原作者が語る「寿司にもっとも合うワインは?」

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マンガ雑誌『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)で、1999年から今も連載が続く、“老舗” の寿司漫画『江戸前の旬』。寿司の具である “タネ” のエピソードを中心に、すでに100巻が発売されている。原作者の九十九森先生が、「寿司ウンチク」を存分に語ってくれた。

「一時期ワインに凝っていて、代理店から300本くらい買い込んで、月に数百万円も使ったことがあります(苦笑)。

それを馴染みの寿司屋に持っていって、片っ端から『合うか合わないか』をやっていった。ちょうど銀座の『寿司幸』がペアリングを提案し始めて、寿司とワインを合わせるのが流行っていたころです。

私の結論としては……ほとんど合わない。一番よかったのは、新種のぶどうを使って、『シュール・リー』という変わった製法で作った、すごくすっぱい甲州ワイン。そのすっぱさが、寿司や天ぷら、和食にものすごく合って。

たとえば生牡蠣って、レモン汁をかけて白ワインと合わせますよね。おそらくレモン汁をかけないと、生臭くてマリアージュしないはず。だから、レモンの役割を『シュール・リー製法』が果たしている、という理屈です」

しかし、“虎の子” のワインでも、合わないネタはあった。

「これが、マグロとサバには合わない(笑)。マグロの握りに合わせると、ワサビの苦味が強く感じてしまうし、サバにいたっては、何を食べているかわからないほど味が完全に消える。

サバはどうにもならなかったんですが、マグロはワサビの代わりに和ガラシを使うと、味がはっきりしたんです。それを発見して、大喜びですよ。ただ、『シュール・リー』に出会うまでに300万円も使っていたうえ、『結局、自分はワインが好きじゃないんだな』ということがわかって、人にあげました(笑)」

つくもしん
青森県出身 漫画原作者 作画担当のさとう輝先生とコンビで週刊漫画ゴラクで連載中『銀座「柳寿司」三代目 江戸前の旬』、スピンオフ作品の『寿司魂』『旬と大吾』『ウオバカ!!!』などを執筆。メディアへの出演は、連載20年で「ほとんどない」そう

(C)九十九森/さとう輝・日本文芸社

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