【特集】アフターコロナの地域戦略〜(5)すべての事業をリアルとオンラインで「両立」させる必要がある〜

そ-こうした変化をいかにに進めるかが、まさに地域存続の必須条件となってくる。そのために自治体が行うべきことは、一体なんだろうか。それは、今まさに各地で進めている「関係人口創出」ではないだろうか。というのも、本特集の最初の記事「(1)大きく変わる関係人口創出のシナリオ〜」にも書かせていただいたとおり、テレワークの急速な普及により、オンライン業務に対応可能な人材が地方への興味を高め、まさに関係人口潜在層化している中で、そうした人材をどれだけ自らの地域に取り込めるかが、まさに自治体の非常に重要な役割になってくるはずだ。一つ前の記事(4)青森県むつ市はなぜテレワークで出勤者7割削減を実現できたのか?)で紹介した青森県むつ市は、テレワークを推進し、市役所の出勤を70%以上削減することに成功した。これは同時に、むつ市は全国どこに住んでいる人でも人材として迎える準備ができているという捉え方もできる。つまり、テレワーク体制の推進は、単なるリスク回避や業務の効率化にとどまらず、地域の人材戦略に直結する可能性を秘めているということだ。こうした側面から見ていくと、もしかしたらコロナショックは、ある意味出口の見えなかった地方創生そのものに、一筋の光明を注ぐものとも言える。地域にとってもやはり「ピンチはチャンス」なのだ。あとはそれをいかに地域全体の戦略として捉え、一体となって実行できるかにかかっているのではないだろうか。

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