「EUROの延期が悪影響を及ぼす」かもしれない代表のベテラン7名

先日、新型コロナウイルスの影響によってEURO2020が1年延期に。夏に行なわれる予定であったビッグトーナメントが来年に移ることとなった。

『Daily Mail』は23日、「このEURO2020の延期によって厳しい状況になる可能性がある選手たち」という記事を掲載している。

セルヒオ・ラモス

代表cap数:170

年齢:34歳

2021年に次のEUROがやってくるとき、レアル・マドリーのキャプテンであるセルヒオ・ラモスは35歳の大ベテランになる。スペインで最もキャップ数が多く、170試合に出場してきた選手だ。

しかし今季はレアル・マドリーとの将来がやや不透明になっている。フロレンティーノ・ペレス会長は新たな契約を彼に手渡すかどうかを迷っているとも言われており、退団の可能性もあるとか…。おそらくチームを離れる可能性は高くはないだろうが、それでも立場は曖昧になるかもしれない。

今スペイン代表のバックラインはやや高齢化が進んでおり、徐々に新しい選手を入れていく必要もある。ルイス・エンリケ監督がこの長い期間の間にどのような決断を下すのか…。

オリヴィエ・ジルー

代表cap数:97

年齢:33歳

ジルーは今年の夏に向けて適切な流れの動きをしていた。前半戦ではタミー・アブラハムのサブになってしまったが、後半戦ではライバルの怪我によって出番を与えられ、その実力を再び証明してみせた。

彼は今、現段階ではフランス代表でもプレミアリーグでもトップレベルにプレーできる。それだけの信頼を得ている状況だが、では34歳になる来年はどうなるか?チェルシーに残ることを決めたという事実は、来季もタミー・アブラハムと争うことを意味する。

フランス代表の前線の争いは激しい。ムサ・デンベレがリヨンでコンスタントに結果を残しているだけに、ジルーにとっても正念場の1年になりそうだ。

キーラン・トリッピア

代表cap数:19

年齢:29歳

イングランド代表のギャレス・サウスゲイト監督は、現時点で素晴らしいタレントに恵まれている。

右サイドには若きトレント・アレクサンダー=アーノルドとアーロン・ワン・ビサカがいる。前者は攻撃、後者は守備を得意とするため、バランスもいい。彼ら2名の急上昇は、トリッピアの代表でのキャリアを終わらせる可能性が高い。

今夏UEFAネーションズリーグの決勝トーナメントが行なわれたら、まだトリッピアが出場できたはずだが…それがなくなってしまったのは痛い。来年になれば序列は変わってしまうだろう。

マヌエル・ノイアー

代表cap数:92

年齢:34歳

長い間、ノイアーはバイエルンでもドイツ代表でもゴールマウスを守ってきた。ただし、そのナンバーワンとしての立場は、長期に渡った彼の怪我によって崩れ去った。

ライバルのテア・シュテーゲンはノイアーが優先されることに強烈な失望を公にしており、それに対してノイアーは「テア・シュテーゲンは不満を言うべきではない」と反撃。言葉の応酬を繰り広げた。

ただ、ヨアヒム・レーフ監督も今テア・シュテーゲンの実力に気がついたようだ。直近の4試合で2回の起用を決断し、徐々に両者の置き換えを試している。来年はノイアーが逆に失望を口にする可能性も低くないだろう。

トーニ・クロース

代表cap数:96

年齢:30歳

テア・シュテーゲンだけでなく、ヨアヒム・レーフ監督は徐々にドイツ代表の世代交代を進めている。セルジュ・ニャブリやレオン・ゴレツカ、ヨシュア・キミッヒらを組み込み、新しいチームを構築しようとしている。2018年ワールドカップで失望を経験したため、その評判を再び高めなければならないからだ。

トーニ・クロースは、昨年『Kicker』に対して「EURO2020が代表を離れるのにいい時期だ」と話していた。そして彼はもともと早期に引退したいと公言している選手の一人である。

したがって、EURO2020が1年間延期される決定が下されたあと、クロースは様々なことを考えなければならない。レーフ監督にも中盤の世代交代を進めるための大義名分を与えることになる。

ルカ・モドリッチ

代表cap数:127

年齢:34歳

2年前に遡れば、モドリッチはクラブでもクロアチア代表でもセンセーショナルな年を過ごした。ワールドカップで準優勝を果たし、バロンドールとFIFA最優秀選手賞を獲得した。

ただ現在を見れば、34歳となったモドリッチは2年前と同じ選手ではない。そしてレアル・マドリーは今夏ポール・ポグバの獲得に動く可能性もあり、その場合モドリッチの立場は安泰ではない。

アメリカ・メジャーリーグサッカーへの移籍が大々的に噂されているが、それほど競争力が高くないリーグに移ることは、代表でのキャリアを閉じる未来に繋がるだろう。

ヤン・ヴェルトンゲン

代表cap数:118

年齢:33歳

昨年11月にジョゼ・モウリーニョ監督がトッテナムに到着して以来、ベルギーの頑強なセンターバックであるヴェルトンゲンにとっては厳しい時間が続いている。

契約が今季限りになっていることもあり、プレミアリーグでのプレーは19試合のみ。将来の不確実性が顕になっているが、33歳になっていることを考えれば、ビッグクラブが彼を獲得する可能性は高くはないだろう。

今後数年はより若いアルデルヴァイレルトがチームの中心となるだろうし、ロベルト・マルティネス監督はこれからの選手にチャンスを与えようとする可能性は高い。

そしてクリスティアーノ・ロナウドは?

代表cap数:164

年齢:35歳

これは起こり得ないことだろうか?彼は36歳になる。多くの選手にとっては代表チームを引退するのに最適な時期である。

ただ、ロナウドは並外れた肉体的能力と努力のおかげで、未だにポルトガルでもクラブでも傑出した存在であり続けている。減速する兆候すら見せておらず、40代までサッカーがしたいと主張していた。

おそらく、ロナウドを疑うような人はポルトガルにいないだろうし、EURO連覇を成し遂げるという彼の意欲は1年で衰えることはないはずだ。これはまずありえないと言えよう。

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