本番さながらの引退レース 諫早の陸上部「記録会」 県高総体代替イベント、トラスタを貸し切りで

【陸上男子400メートルリレー】学年別のチームでバトンをつなぐ諫早の選手たち=トランスコスモススタジアム長崎

 諫早の陸上部は5月31日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎を貸し切って全学年合同の「部内記録会」を開いた。日々の練習や大会で親しんできた場所。選手たちは一つ一つの思い出をかみしめながら力走した。
 秋の国体や冬の駅伝などを目指している選手以外の3年生にとっては、この日が最後のレース。昨年末の全国高校駅伝女子で8位入賞したメンバーが名を連ねた男女3000メートルを皮切りに、トラック14種目と三段跳びを実施した。
 電光掲示板を使用して100分の1秒まで計測。「続いての競技は…」と場内アナウンスも響き渡り、公認大会さながらの雰囲気で進行した。
 三段跳びの最終6本目に10メートル35の決勝記録を出した松原美月は「みんなが手拍子をしてくれている中で人生最後の跳躍ができた。幸せすぎる」と晴れやかな表情。これまで観客席から応援してきた保護者も、この日ばかりはトラック近くの“特別席”に陣取り「最後に近くで見れてうれしい」と喜んでいた。
 陸上は1カ月以上先の7月11、12日に県高総体の代替大会が計画されているが、受験に専念するため参加できない学校も多い。複数のチームが諫早のように独自で「区切りの大会」を用意している。


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