過去最高のドラフトは1968年ドジャース MLB公式サイトが特集

2020年のドラフトを約10日後に控え、メジャーリーグ公式サイトでは連日、ドラフトの歴史を振り返る特集記事が公開されている。日本時間6月1日には、ジム・キャリスが過去のドラフトのなかから最高の指名を行ったチームを選出する特集記事を公開。ロジャー・クレメンスを指名した1983年レッドソックスを抑え、「過去最高のドラフト」に選出されたのは1968年ドジャースだ。

ドラフトは1965年にスタートし、1986年までは1月と6月に年2回開催されていた。また、前年のドラフトで指名されなかった選手を対象とする二次ドラフトも開催されていたが、1987年から現在の年1回開催となっている。

1968年ドジャースは、「最高のアスリートを指名するか、チームに必要な選手を指名するか」といったドラフト戦略を見直したり、選手の基礎スキルを100段階で評価したりして、1974~81年の8年間に4度のリーグ優勝(世界一は1981年の1度のみ)を成し遂げたときの主力選手を次々に獲得。2度の盗塁王を含む通算557盗塁を記録したデイビー・ロープス、1974年に打率.314、31盗塁を記録したビリー・バックナー、通算2599安打のスティーブ・ガービー、通算316本塁打のロン・セイらがその代表格だ。

前述の4選手のほか、通算194勝のドイル・アレクサンダー、通算122本塁打のジョー・ファーガソン、通算111勝のジェフ・ザーンなど数多くのメジャーリーガーを輩出し、合計WAR(Baseball-Reference版)は234.8に達する。これは過去のドラフトのなかで断トツの数字であり、50ポイント差以内に位置しているのも1983年レッドソックス(クレメンスとエリス・バークスの2人だけで189.0)しかいない。

ちなみに、1968年ドジャースが1巡目(全体5位)で指名したのは、のちに日本プロ野球の千葉ロッテマリーンズでも監督を務めるボビー・バレンタイン(メジャー通算441安打)。5巡目で指名したトム・パチョレック(メジャー通算1162安打)は、日本プロ野球の横浜大洋ホエールズや阪神タイガースで活躍したジム・パチョレックの兄である。

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