住林の今期予想は純利益84%減、ウェブ営業に注力

住友林業(東京都千代田区)は、今期(2020年12月期)は9カ月の変則決算ながら、前期に当たる2020年3月期第3四半期比で売上高が7.3%減の7440億円、当期純利益は84.5%減の35億円の見通しとなっている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、受注減などが影響するため。今後はテレワーク拡大などに伴う新しい生活様式への対応提案や、ウェブ営業を強化していく。

今期は売上高と純利益以外に営業利益が66.0%減の130億円、経常利益が65.2%減の150億円と大幅な減益を見込んでいる。新型コロナのため展示場を閉鎖していた影響で、来場者の記名が4~5月は前年同期比約90%減。例年ゴールデンウィークは来場が多い時期だが痛手となった。4月の戸建て注文住宅の受注は前年同月比-35%、賃貸住宅は-20%、リフォームは-59%で、合計では-39%。光吉敏郎社長は6月1日の2020年3月期決算説明会で「受注減による業績影響は今期後半から来期(2021年12月期)前半まで続く」と見通しを語った。

6月1日から東京都内でも展示場の営業が可能となり、全国の展示場でマスク着用や手洗いなど衛生対策を徹底しながら営業していく。注文住宅であれば9月末までの契約で受けられる住宅ローン減税の控除期間のこれまでの10年間から13年間への延長、すまい給付金、両親などからの住宅資金の贈与1500万円までの非課税の他、戸当たり60万円のZEH補助金、同じく105万円のZEH+補助金も営業として訴求する。

ウェブでの資料請求が5月は前年同月の2.3倍近くあったという。光吉社長は「ウェブでの請求者は検討内容が濃い。6月からウェブ商談を本格化していく」と説明。ウェブでの設計相談なども実施する他、商談はオンラインか直接対面かの選択もできるようにする。ウェブで間取りが選べる戸建て商品「フォレスト セレクション」にワークスペースプランを追加する他、間取り提案としてテレワーク対応など新しい生活様式への対応を強化する。

それでも今期の戸建て注文住宅の受注は棟数が31.0%減の3800棟、金額は28.0%減の1480億円の見込み。販売棟数は2.2%増の5200棟も、金額は8.0%減の2100億円を予定している。2021年度に売上高1兆2600億円、経常利益850億円を目標とした中期経営計画については見通しが不透明として、2021年2月に改めて内容について発表する方針とした。光吉社長はこのコロナ禍について「先行きは不透明だが、さらなる成長につなげる」と語った。

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