和室リフォームで使い勝手のいい和モダンな空間に。畳の張り替えや壁のリノベーション例を紹介

畳のある和室は、日本ならではの落ち着いた空間です。和室のある住宅を好んで選ぶ方も少なくありません。ただ、実際に住んでみると使い方に悩み、持て余してしまうこともあるでしょう。今回は、和室を使い勝手の良い空間に変えるリフォーム術や、畳の張り替えや壁、押し入れのリフォーム例などをご紹介します。

《目次》- 和室リフォームの目的と工事内容、費用相場は?

和室リフォームの目的と工事内容、費用相場は?

和室リフォームの工事内容

和室リフォームの工事には、以下のようなものがあります。

・畳の張り替え
・壁紙の張り替え
・壁材の変更
・押入れのリフォーム
・天井の張り替え
・建具のリフォーム
・照明器具の取り替え
・襖の張り替え
・障子の張り替え・新調

もっとも一般的な和室リフォームといえば、畳の張り替えです。畳は経年劣化や日焼けが目立ちやすいため、張り替えるだけで和室の雰囲気を大きく変えられます。

和室リフォームの費用相場

和室リフォームの費用相場は、広さや工事内容によって異なります。以下の表の金額が目安です。

工事内容費用相場 畳の裏返し(1畳) 3000~6000円前後 畳の表替え(1畳) 5000~1万円前後 新しい畳へ交換(1畳) 1万~5万円前後 襖の張り替え(1帖片面) 3000~3万円前後 障子の張り替え(1帖) 3000~1万円前後 畳をフローリングに交換(6畳) 10万~20万円前後 砂壁をクロスに変更(6畳) 15万~20万円前後 押入れのリフォーム 10万~30万円前後

畳や襖は、材質や品質によって価格が多少前後する傾向にあります。簡単なリフォームであれば、比較的安価に行えるため、和室を持て余しているのであれば検討してみても良いかもしれません。

畳の張り替えは「表替え」「裏返し」「新調(新畳)」の3種類

前述の通り、畳の張り替えは和室リフォームのなかでもポピュラーなもののひとつです。そして、畳の張り替え方法は以下の3種類に分かれます。

・裏返し
・表替え
・新調(新畳)

裏返しとは畳表をひっくり返す作業を指し、表替えとは畳表と畳縁を新品に交換する作業のことです。こちらでは、畳の張り替えに関するさまざまな情報をご提供します。

交換時期の目安

畳の張り替え作業は、それぞれ以下の期間を目安として行うのがおすすめです。

作業内容交換時期の目安裏返し 2~5年 表替え 4~7年 新調(新畳) 10~15年

適切なタイミングで作業を行うことで、畳をきれいな状態で使い続けられます。ご自宅の畳の状態が気になったら、前回の作業からどのくらいの期間が経過しているか確認してみましょう。

畳のリフォームにかかる時間と費用

畳のリフォームは、作業内容ごとに必要な時間や費用が異なります。リフォーム会社に依頼する場合は、以下の表を目安としてください。

作業内容かかる時間費用裏返し1日前後 約4000円/畳 表替え1日前後 5000~2万円前後/畳 新調(新畳)2~10日前後 1万~3万5000円前後/畳

多くの作業は1日で終わるものの、現場の状況によって多少時間がプラスされます。交換前の畳を採寸したうえで新しい畳が完成してから入れ替えるため、交換作業中に畳がないといった事態は発生しません。

琉球畳はカラバリ豊富で和モダンな雰囲気に

和モダンな雰囲気づくりができるとして、近年人気を集めているのが琉球畳です。「七島イ」という植物を使用した半畳の縁なし畳のことで、七島イが琉球で栽培されていたため琉球畳と呼ばれるようになりました。

琉球畳最大の特徴は、豊富なカラーバリエーションです。一般的な畳といえばイ草の色を思い浮かべますが、琉球畳はモノクロやカラフルなデザインが豊富に取り揃えられています。和室の雰囲気をガラッと変えたい場合におすすめです。

床暖房を設置して冬でも快適に

冬場の和室の寒さが気になるのであれば、床暖房も効果的です。和室に床暖房を設置する方法には、下記の2通りがあります。

・現在の床に床暖房設備を設置する方法(直張り)
・一度床を撤去してから床暖房を設置し、新しい床をかぶせる方法(全面張り替え)

費用の目安は、以下の表を参考にしてください。

設置方法費用相場直張り5万~10万円前後/畳全面張り替え8万~15万円前後/畳### 畳からフローリングの床にしたい場合

和室の使い勝手が悪い場合は、畳をフローリングの床へ張り替える方法もおすすめです。和室全体を洋室にリフォームするとまとまった費用が必要ですが、畳をフローリングに変更する程度であれば、「9万~35万円(6~8畳)」と比較的お手ごろな価格で行えます。

リビングに和室空間を作るなら置き畳や小上がり和室がおすすめ

リビングのテイストに合わせやすい琉球畳でおしゃれなくつろぎスペースを造作

新しく和室空間を作るのであれば、リビングの一角に置き畳や小上がり和室を設置するのがおすすめです。置き畳は、床の上にマットやラグを設置する感覚で使用できるアイテムで、敷き畳やユニット畳とも呼ばれます。カラーバリエーションやデザインも豊富なため、リビングの雰囲気も損ねません。小上がりは、お部屋の一角に設けられた少し段差のある空間です。そこに置き畳を設置することで、簡易的な和室ができあがります。

壁のリノベーションはデザイン性と機能性で決める

和室は、壁のリノベーションで大きく雰囲気が変わります。ただ、壁材に使用できるものは数多くあるため、どれを選ぶべきかわからない方も多いでしょう。こちらでは、和室の壁のリノベーションで使われるさまざまな壁材をご紹介します。

和室の壁の構造

和室の壁は、以前は真壁で施工されることがほとんどであったものの、近年は大壁仕様の和室も登場しています。真壁とは柱を露出させた日本古来の工法、大壁とは柱を壁の中に納める西洋由来の工法です。昔ながらの和室を目指すなら真壁、和モダンな雰囲気をつくるなら大壁が良いでしょう。

定番の「砂壁」は表面の砂が落ちてきたら補修のサイン

和室の壁といえば、防湿性・防火性に優れた砂壁を思い浮かべる方も多いでしょう。砂壁は、カビが付着している場合や表面の砂が落ちてきたら補修のサインです。これを機にご自宅の和室の壁を確認してみましょう。不安があれば、砂壁を取り扱っているリフォーム会社に依頼するのがおすすめです。

デザイン豊富で汚れに強い「クロス」

和室の壁といえば砂壁が定番でしたが、近年はリフォームを機にデザイン豊富で汚れに強いクロスに張り替える方も増えています。クロスの張り替える場合の費用は、1㎡あたり1000~1500円前後が目安です。6畳の和室であれば3万~5万円前後で完了するため、手軽に和室の雰囲気を変えられます。また、壁と合わせて天井のクロスも張り替えるとより和モダンな雰囲気に近づきます。

調湿・脱臭性能のある「珪藻土」

和室の壁材にこだわりたいのであれば、美しい自然の風合いを演出できる珪藻土もおすすめです。珪藻土は自然由来の壁材で、調湿効果や脱臭効果、断熱効果の高さなどから人気を集めています。珪藻土リフォームの費用相場は、下記の表を目安にしてください。

費用内訳費用相場材料費 1000~3000円前後/㎡ 施工費 5000~8000円前後/㎡ ### カビが生えにくく、シックな印象になる「漆喰」

シックで落ち着いた雰囲気の和室をつくり上げるなら、壁材に漆喰を使用するのも良いでしょう。カビが生えにくく、耐水性や防火性に優れた素材で、和洋どちらのデザインにもなじみやすいのが特徴です。リフォーム費用は、4000~7200円/㎡前後が相場で、珪藻土と比較すると多少高価な傾向にあります。

押入れのリノベーションで使いやすいスペースに

和室の収納デザインを変えるだけでも和モダンな部屋に早変わり

和室ならではの押入れですが、使い道に困った布団をしまっておくだけのスペースになっていることも少なくありません。こちらでは、押入れのリノベーション術をご紹介します。

棚を設置して収納しやすく

大掛かりなリノベーションが難しければ、本棚などを設置して収納スペースとして活用してみましょう。市販品を購入して設置しても良いですが、DIYで最適なサイズの棚を作るのもおすすめです。

クロスを貼り付けておしゃれに

雰囲気を変えるだけであれば、押入れにクロスを貼り付けておしゃれにするのも効果的です。市販のクロスや壁紙シートなら、お手ごろな価格でDIYできます。上記の棚と組み合わせるのも良いかもしれません。

作業場所にリノベーション

押入れに設置されている中板を活かすのであれば、作業場所へのリノベーションがおすすめです。中板を机に見立てれば、十分な作業スペースを十分な作業スペースを確保できます。クロスを貼り付けたり、棚を設置したりすることで自分好みの場所へとリノベーションできます。

襖紙を張り替えて見栄えよく

押入れは、襖紙を張り替えるだけでも見栄えが大きく変わります。とくに、前回の張り替えから10年以上経過しているものは、経年劣化が進み和室全体を暗い印象にしているかもしれません。近年は、いわゆる和室らしい落ち着いたデザインの襖紙だけでなく、洋室にも合うデザインのものが豊富に販売されています。自分好みの襖紙に張り替えて、押入れの見た目と使い勝手を向上させましょう。

障子の張り替え・新調

和室といえば障子を思い浮かべる方も多いでしょう。障子は、経年劣化が進むと汚れが目立ち部屋全体を暗くしてしまうため、定期的に張り替える必要があります。日当たりの程度や障子紙の種類にもよるものの、3~5年前後で張り替えるのがおすすめです。

デザイン豊富で模様替えにぴったり!DIYでも人気

近年の障子紙は、昔ながらの真っ白なものだけでなく、柄や色のついたタイプも販売されています。DIYも可能なため、チャレンジする方が増えています。業者に依頼した場合の費用相場は、1枚あたりおよそ2500~3000円です。DIYした場合、1枚あたり1500~2000円と比較的お手ごろな価格で張り替えができます。人の出入りが多い住宅であれば、お客様が出入りする部屋は業者へ、家族だけが出入りする部屋はDIYなど区別するのもおすすめです。

◆こちらもおすすめ◆

<<「和室のリフォーム」について解説!>>

✔︎和室天井をリフォーム。種類や張替え費用をご紹介

✔︎和室の土壁リフォーム、費用相場を紹介

✔︎和室の砂壁リフォーム、費用相場を紹介

✔︎和室から洋室にリフォーム。期間や費用相場を紹介

✔︎ふすまリフォームの基礎知識。張り替えやドアへの交換はいくらかかる?

✔︎床の間とは?有効活用できるリフォーム方法や和風モダンなリノベを紹介

<<リノベーションの事例が知りたい!>>

✔︎無垢材リノベーションの先輩にインタビュー

© 株式会社プロポライフグループ