「The Last of Us Part II」発売前プレイレポート――PS4史上最高のグラフィックで描かれる、エリーの過酷な戦い

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6月19日にソニー・インタラクティブエンタテインメントより発売される、ノーティードッグ開発のPS4専用ソフト「The Last of Us Part II」。全世界待望となる本作を発売前にプレイする機会を得たので、実際にプレイして分かったその魅力を、現在お伝えできる範囲でご紹介しよう。

なお今回のプレイレポートには物語上のネタバレとなる箇所は含まれないので、安心して読み進めてほしい。

■敵を倒したときの“後味の悪さ”も正当進化

「The Last of Us Part II」の主人公は、前作では14歳の少女だったエリー。本作ではそれから数年が経ち、成長したエリーのある“復讐”の物語が描かれる。

今回紹介するのは、エリーが拠点にしている劇場を出発し、ノラという人物を見つけるまでのセクション。まずエリーは地図を頼りに病院を目指し、5号線と書かれた道をまっすぐ進んでいく。

途中、コンビニ跡地があったため、筆者は中をひと通り物色することに決めた。前作同様、拾った素材を組み合わせてアイテムを作成できる本作。来たるべき戦いに備え、使えるものは残さず回収するエコロジー精神の有無が生死を分けると言っても過言ではない。拾えた素材に満足し、コンビニを出た筆者の気持ちを代弁するように、エリーが「よし、一歩前進」とつぶやく。

さらに進むとレストランの中から感染者のうめき声が。倒すことに決めた筆者だが、玄関の扉には鍵が掛かっていた。窓を割れば侵入できそうだが、もし室内にたくさんの感染者が潜んでいた場合、音に反応してワラワラと集まってくるだろう。

そこで少し離れた場所から、空の瓶を窓めがけて放り投げてみる。激しい音を立てて割れるガラス。案の定、奥のほうから感染者がワラワラと集まってきた。その数4体。すかさず群に向かって火炎瓶を投げつける。悲鳴を上げる感染者たち。倒しきれず2体ほどが炎上しながら店外に飛び出してきたので、これをショットガンで冷静に仕留める。

R1ボタンを押せば壁の向こうにいる敵対者の気配を察知できるのも前作同様。これを利用して生き残りがいないか確認しつつも、レストランの探索も無事完了した。

ここで倒した感染者は、わずかに視力が残っている“ランナー”と、視力は完全に失っているが聴力が発達しており、凶暴で組み付かれたらそれは死を意味する“クリッカー”の2種類。いずれも前作のプレイヤーにはおなじみの敵たちだ。

今度は地下から侵入できる住宅を見つけ、物色しはじめるエリーこと筆者。2階に上がると大量の素材が手に入った。おまけに武器の強化を行える作業台まである。この時点でエリーが所持している武器は、ハンドガンにリボルバー、ライフル、ショットガン、そして弓。いそいそと手持ちの素材で何が強化できるか吟味しようとしたところ、左側から人が駆けてくる足音が! 気づいたときにはエリーは組み付かれていた。武器強化画面に移行した直後の襲撃という予想外の出来事に面食らう筆者。画面に表示されたボタンを押すとエリーが反撃し、ここから通常の戦闘へと移行する。

組み付いてきた男は怯んだ隙に喉笛をナイフで掻っ切り倒すことができたが、続いてハンドガンを持った2人がエリーを取り囲む。物陰に隠れながら、こちらも銃で応戦するが、苦戦。敵も遮蔽物の後ろに隠れながらエリーを狙い撃ってくるので、反撃しようと銃を向けると、今度は別方向の相手から銃弾が飛んでくる。体制を崩してしまうエリー。敵対する人間たちのAIはかなり賢いように感じた。

ダメージを受けながらもなんとかひとりを倒し、もうひとりと、あとから来た新手は近づいてマチェットで仕留め、なんとか片付けることができた。そのあとに見つけたメモで、彼らはこの地域一帯を武力で支配する武装集団“WLF”からの離脱者であることが判明する。

敵を近接攻撃で仕留めたときの“後味の悪さ”も「The Last of Us Part II」の特徴のひとつ。とどめを刺した直後に敵の口から漏れる「ゴポゴポッ……」といった呼吸が出来ず苦しそうな音や、もがき苦しみながら崩折れていく様子、仲間を殺されて逆上したときの叫び声などは、実に生々しい。

前作の主人公・ジョエルは腕っぷしが強かったので、一撃で首の骨を折るなどあまり苦しめずに敵を絶命させることが多かった。だがエリーの場合、何度もナイフで突き刺す、身体にめり込んだマチェットを力いっぱい引き抜くなどのモーションが尚更敵の苦痛を強調しており、これも“後味の悪さ”に拍車をかけていると感じる。しかしこれこそが本作の目指すリアリティなのだろう。

ちなみに、ここまで紹介してきたコンビニ、レストラン、住宅は、すべて探索が必須の場所ではなく、スルーしてゲームを進めることも可能だ。本作では入るべき建物、倒すべき敵の選択の多くがプレイヤーに委ねられており、そういう意味では自由度が高い。リスクを取ってもすべての場所を隈なく調べるか、危険そうな場所には近づかないか、その都度、選択を迫られるのだ。

安全に作業台を使えるようになったので、弓に手ブレを軽減する改造を施してから、住宅の物色を再開する。別の部屋にはダイヤル式の金庫があり、家の中にあった書き置きなどのヒントを組み合わせることで解錠のための番号を特定。中にあった素材や弾丸を手に入れることができた。外に出て、さらに進む。段差を超えるためのちょっとした謎解きを要求され、これを解くと見晴らしの良い場所に出た。遠くに目的地である病院の建物が見える。先はまだ長そうだ。

■感染者、そして不気味な狂信者集団“セラファイト”との死闘

周囲を見渡すと、どうやら病院に近づくには右手にある建物の中を通り抜ける必要があるらしい。窓を割って侵入すると、中には薄暗い空間が広がっていた。懐中電灯で辺りを照らしながら探索を行う。

ところどころに無残な死体が転がっているのを発見。不穏な空気が漂いはじめる。しばらくすると、死体に群がる複数の“ストーカー”と遭遇。この感染者は気配を消すことができるため、R1ボタンを押しても居場所を特定できない。おまけにエリーの背後などに回り込んで襲ってくる厄介な相手だ。

拾った素材で回復アイテムの救急キットなどを作成しながら、襲撃に備える。ダメージを受けながらもなんとかストーカーを全滅させるが、今度は出口が分からずさまようことに。すると、画面にL3ボタンの表示が。押してみると出口の方向が表示される。前作や同社の「アンチャーテッド」シリーズと同様、しばらく迷っているとヒントを教えてくれる機能は健在のようだ。

その後もハラハラする展開を何度も切り抜けつつ、たどり着いたのは草木が生い茂る公園。念のためしゃがみ歩きで背の高い草に身を隠しながら進んでいく。すると、不気味な口笛の音が聞こえてきた。ひときわ甲高い口笛が聞こえてきたと思った次の瞬間、右肩を矢で射られるエリー。それは、WLFと対立する狂信者集団“セラファイト”によるものだった。

この公園は、彼らのテリトリーだったようだ。弓などの原始的な装備を好んで使い、口笛で連携を取り合ってエリーを追い詰めるセラファイトは、ほかの敵対者とは違った不気味さがある。身を隠しながら、こちらも各個撃破していく。

敵から身を隠しながらの戦闘では、音響面も印象に残る。エリーが敵の視界に入っていると不快な効果音が徐々に大きくなっていき、一定を超えると完全に見つかってしまう。この音を頼りに、相手の視界から逃れるための行動を取ろう。また、完全に見つかったあとはBGMが切迫したものへと切り替わり、プレイヤーも自然と臨戦態勢に気持ちを切り替えることができる。このメリハリある音響が、戦闘の緊張感を倍増させているのだ。

遠くからエリーを弓で狙っている敵には、スコープを取り付けたライフルで応戦。なんとか最後のひとりにとどめを刺すと、日記を取り出し、セラファイトについて書き記すエリー。この日記には旅の中で起きた印象的な出来事がエリーの率直な言葉とイラストで記されており、あとから改めて読むことも可能だ。前作での自暴自棄だったジョエルとは異なる、エリーのちょっとした几帳面さが伺える要素と言えるだろう。

さらに進むと再びセラファイトの集団に遭遇。今度はなんとWLFの兵士を吊し上げ、いままさに殺害しようとしているところだった。WLF兵の胸にセラファイトのひとりがナイフを突き立てる。直後にこのセラファイトもエリーが放った矢によって倒れることになるのだが、もう少し早く倒せていればWLF兵を助けることもできたように思う。助けられた場合、なんらかの展開上の変化があったかもしれない。気になる方は、製品版でチャレンジしてみてほしい。

ここでは傾斜のついた地面に、半地下の立体駐車場がそびえるフィールドで戦うことに。別のフロアにいると油断していた敵が、気づけば同じフロアにいた……といった、慣れない地形から来る位置関係の把握しづらさに苦戦を強いられる。

ハンドガンに素材で作成したサイレンサーを取り付け、これを使って音を立てず、慎重にひとりずつ仕留めていく。しかし、善戦しはじめた矢先、スレッジハンマーを装備した巨漢の男に至近距離で遭遇。手痛いダメージを受けたため、いったん全力疾走で距離を取って救急キットで回復する。

敵の近接攻撃はタイミングよくL1ボタンを押せば回避できるのだが、はじめて出会うタイプの敵だったこともあり、動きのクセを把握できないまま一方的に攻撃に晒されてしまったのだ。反撃に、物陰で待ち伏せて至近距離からショットガンの散弾を浴びせる。打たれ強い巨漢の男だが、この一撃には耐えられなかったようだ。その後も、背後に回り込む、車の下に隠れて、通り過ぎてから襲うなどの戦略を駆使して、やがてセラファイト全員を倒したエリー。

道中で拾うものの中には、薬のカプセルのようなものがあり、これを消費することでエリー自身の能力を向上させることができる。エリーの能力はサバイバル、工作、ステルス、精度などの種類に分かれており、筆者はステルスを重点的に強化していた。

これによって“匍匐前進の速度アップ”や“サイレンサーの耐久度アップ”といった恩恵を受けており、もし別の能力を重視していたら、セラファイト戦をノーミスで突破することはできなかったかもしれない。プレイヤーの得意とする戦略によってはほかを優先させる場合もあるかもしれないが、獲得できる能力の恩恵を見比べて、悔いのない選択をしてほしい。

■激しい戦いをくぐり抜け、ついにノラと対面!

さらに探索・素材の回収・アイテムの作成を繰り返して次なる戦闘の準備を行いつつ、病院までの道のりを進んでいくエリー。川を泳ぐ、水上にある障害物を避けるために潜るなどして道なき道を進んでゆき、ついに病院のすぐそばまでたどり着く。

ここからは、5月28日のState of Play動画後半で公開されたものと同じセクションのプレイだ。建物の地下から侵入し、見張りをサボってPS Vitaの「ホットラインマイアミ」で遊んでいたらしいWLF兵に遭遇。イベントシーンでこの兵士を倒すと、階段を登って複数のWLF兵が巡回する開けた空間に出た。ここを超えれば病院だ。

ふたりひと組で行動している兵士はいったん無視。弓やサイレンサー付きハンドガンなどの音のしない武器で、背の高い草に身を隠しながら、ひとりずつ仕留めていく。途中、エリーの匂いを追ってWLF兵の飼い犬が近づいてくるひと幕も。兵士に居場所を知らされては困るので、一矢で仕留める。可哀想だが、こちらも生き抜くのに必死だ。犬の命を一切奪わずに本作をクリアしようとしたら、難易度はかなり跳ね上がるように思う。飼い主と思われる男の悲痛な叫び声がこだました。

外を見回っている兵士をひと通り倒し、ついに病院の施設内に侵入。しかしここにもWLF兵は複数人待ち構えていた。敵の気配を伺いつつ、“スタン爆弾”で怯ませ、急所攻撃で仕留める。この音で遠くの兵士も集まってきたが、ツーマンセルでやってきたので、火炎瓶でまとめて燃やす。

そして残った兵士がエリーを追って通るであろうルートに設置爆弾を置く。狙い通り、近くを通った男に反応して爆発。ひとまず近くにいる敵は全滅させる。奥のほうにあとふたりほどが潜んでいたが、こちらは難なく処理。ここまでのプレイヤースキルのすべてが問われるような戦いだったが、下準備も功を奏し、無事突破できた。

病院の2階に登り、通気孔に侵入していくつかの部屋の様子を伺うと、ノラと思しき女性を発見。念のため装備を整えてから、彼女がいる部屋に突入。ついにノラとの対面を果たす。エリーが「久しぶり。ねえ、覚えてるでしょ」と問いかける。エリーが何について“覚えてる”かと聞いたのかは、実際にプレイして確かめてほしい。

プレイレポートは以上となる。公式トレイラーを視聴した方はお気づきかと思うが、本作のグラフィックはPS4ソフト史上最高と考えて間違いないだろう。実際にプレイしてこれは確信に変わった。美しさよりも“汚さ”を表現するためにこそ描き込まれた世界で、敵対するWLFとセラファイト、そして感染者たちと繰り広げる血生臭い戦いは、相手の命を奪う描写の重さ、後味の悪さもあり、少しのプレイでも気力を大きく持っていかれてしまう。前作から飛躍的に賢くなった敵AIの手強さも、これに拍車をかけている。

それでもゲームデザインの巧みさ、エリーの行く末見たさに、ついつい長時間プレイさせられてしまうあたりには、恐ろしさすら感じた。筆者はこの苦しみに満ちた旅路を、心の底から楽しんでしまったのだ。

システム的にも近接戦闘での回避手段の追加や、作成できるアイテムの豊富さ、地形やオブジェクトの多彩さなどによって、前作以上に奥深いものになっている。どんなに重いテーマがあったとしても、ゲーマーの性として、その比類なき完成度の高さにはわくわくさせられっぱなしというのが正直なところだ。

世界最先端のゲーム、そしてゲームのための物語表現を体験したければ、「The Last of Us Part II」は必ずプレイするべきゲームに仕上がっていると感じられた。前作の素晴らしいラストのその先を見るのは勇気が必要かもしれないが、ぜひひとりでも多くの方にプレイしてほしい。6月19日、エリーの新たな旅のはじまりは、もう目前だ。

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