「コロナに負けない」全国で大輪 横浜や相模原でも 

あいにくの雨模様のなか、新型コロナウイルスの収束を願って打ち上げられた花火=横浜市旭区

 新型コロナウイルスの収束を願う花火が1日午後8時、各地で一斉に打ち上げられた。神奈川県内では横浜市旭区の若葉台公園や相模原市内などで、大輪が夜空を彩った。「コロナに負けない」。空を見上げた住民は色鮮やかな花に酔いしれた。

 悪疫退散を祈願した「Cheerup!花火プロジェクト」で、全都道府県で約150社の花火業者が名乗りを上げた。観客の密集を避けるため、会場は非公表で実施した。

 一帯を団地に囲まれた若葉台公園では、約3分間で計55発を打ち上げた。コロナ犠牲者への鎮魂を込めた音のみの花火で幕を開け、医療従事者へのエールを込めた青色の花火や笑顔をかたどった花火が、霧雨の中に幻想的な光を放った。

 同公園では「若葉台夏まつり」で例年約2500発の花火を打ち上げていたが、今年は中止に。花火を手掛けた「横浜山田の花火」専務の山田洋右さん(43)は「見ている人の歓声が聞こえてうれしかった」。団地に住む伊藤美枝子さん(78)は「今年は花火を見られないだろうと諦めていた。人は支え合って強くなれる。コロナに打ち勝ちたい」と目を赤らめた。

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