サッカー界では期限付き移籍(ローン移籍)というシステムがあり、保有権を動かさずに他のクラブへと貸し出すことが可能だ。
まだレギュラーに定着できていない選手を修行させたり、契約が残っているものの戦力として考えていない選手を手数料に変えたり…ということができる。
『Sportskeeda』は、「今シーズンの欧州でもっとも素晴らしかったローン移籍」という記事を掲載しており、それを紹介する。
5位:クリス・スモーリング
貸出元:マンチェスター・ユナイテッド
貸出先:ローマ
スモーリングはマンチェスター・ユナイテッドで長くプレーしてきたが、フィル・ジョーンズとともにいつもファンに悪い意味で話題となってきた。そして記録的な移籍金でハリー・マグワイアがやってきたとき、彼の未来はローン移籍という形に落ち着いた。
それは当初ローマにとっていい取引になるとは思われなかったが、その予測が間違っていることをスモーリングは証明した。戦術的で守備的として知られるセリエAでリーダーとなり、今季のリーグベストDFの一人となっている。
イングランド代表は守備面で決していい状態ではない。来年に延期されたEURO2020に向けて、ギャレス・サウスゲイト監督もスモーリングの復帰を真剣に考えているはずだ。
4位:マウロ・イカルディ
貸出元:インテル
貸出先:PSG
いつも妻のおかげで物議を醸しているイカルディであるが、ピッチ上では常にインテルのエースであった。契約の関係でクラブといろいろ揉めたことから、今季はフランス・リーグアンのPSGへと貸し出されていた。
そして契約最終年度だったエディンソン・カバーニのポジションを奪い、レギュラーに定着。今季20ゴールを奪い、リーグアン優勝に大きく貢献している。
その活躍もあってユヴェントスが獲得に本腰を入れているとも伝えられたが、巨額の移籍金でPSGに買い取られることとなった。それはイカルディにとって当然の報酬だろう。
3位:ディーン・ヘンダーソン
貸出元:マンチェスター・ユナイテッド
貸出先:シェフィールド・ユナイテッド
1年前、ディーン・ヘンダーソンはマンチェスター・ユナイテッドからのローンで2部のシェフィールド・ユナイテッドに貸し出されるという立場でしかなかった。しかし現在、イングランド代表の守護神候補とも言われる選手になった。
彼は今季のプレミアリーグで最高レベルのキーパーだった。10回のクリーンシートを達成しており、ゴールデングローブ賞のランキングでも2位になっている。その成長のスピードは驚異的なものだ。
ただ、ローンで2年過ごしたシェフィールド・ユナイテッドに来季残るかどうかといえば、難しいものがある。ヘンダーソン自身もマンチェスター・ユナイテッドの守護神になりたいという夢を公言している。
2位:マルティン・ウーデゴール
貸出元:レアル・マドリー
貸出先:レアル・ソシエダ
レアル・マドリーが15歳のノルウェー人MFウーデゴールを獲得したとき、それはどうなのかと疑問の声も上がった。それから数年彼が低空飛行を続けたとき、その懸念は現実になったかと思われた。
しかし彼はヘーレンフェーンでの修行でようやく才能を開花させ、今季はレアル・ソシエダでのプレーでその価値を証明した。リーガで最も攻撃的なMFの一人であり、90分あたり2.5回のキーパスを送っている。
レアル・マドリーはルカ・モドリッチが晩年を迎えていることもあり、そろそろ中盤の刷新が必要なところ。レアル・ソシエダへのローンは2年間だが、今夏呼び戻される可能性も低くはないだろう。
1位:アシュラフ・ハキミ
貸出元:レアル・マドリー
貸出先:ボルシア・ドルトムント
ウーデゴールと並び、最近のレアル・マドリーがとても広くスカウティングを行なっていることを証明する選手の一人だ。ボルシア・ドルトムントに2年のローンで修行に出ているが、彼は今夏レアル・マドリーに戻る予定だ。
すでにハキミは世界最高クラスのサイドバックとしての名声を築いており、素晴らしいスピードと創造性を備え、ゴールも奪える能力を持つ。ウイングバックとしてもサイドバックとしても非常に素晴らしい。
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ドルトムントでの両翼、ラファエル・ゲレイロとのコンビは世界有数のものだ。レアル・マドリーに戻ればダニ・カルバハルとの激しいポジション争いに直面するだろうが、今季の活躍を見れば…。