【新型コロナ】3カ月ぶり授業再開に〝笑顔〟 学校側は感染予防に腐心

横浜市立間門小学校(同市中区)では、密集を防ぐため、1メートルほどの間隔を空けたマス目を描き、登校してくる児童を整列させた

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言が解除されたことを受け、県内の公立学校が1日、約3カ月ぶりに授業を再開した。分散登校した子どもたちは久しぶりの授業に初めは緊張した面持ちだったが、級友や担任教諭と言葉を交わすうちに笑顔を見せるようになり、教室に笑い声も響いた。一方で学校にとっては、感染予防に細心の注意を払い、児童生徒の不安に気を配りつつ、学習の遅れを取り戻すという難題に挑む日々が始まった。

 「いつもは仲良しだけれど、今日は離れてね」

 午前8時20分。横浜市立間門小学校(同市中区)の校門が開くと、マスクを着用した子どもたちが続々と登校してきた。昇降口が混雑するのを避けるため、同校は“入場制限”を行い、周囲との間隔を示すために地面に描いたマス目の中で児童を待機させた。

 同校は各クラスを午前と午後に分け、分散登校を実施。教室内でも子ども同士の距離を保つため、前後左右の座席を空けて互い違いに座らせた。

 3年1組では、担任教諭が朝の体温などが記入された健康観察表を確認し、臨時休校中に出した課題を回収。児童の席を回りながら、「元気?」「背が伸びたね」などと話し掛けると、子どもたちはうれしそうに返事をしていた。

 高木伸之校長は「子どもたちが笑顔で登校していて良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべ、「学習の遅れや友達との関係に不安はないか、児童の話をよく聞いて心のケアに努めたい」と話した。

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