長崎原爆資料館が再開 平和を学ぶ場、徐々に 平和案内人や講話も

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再開初日に訪れた来館者=長崎市、長崎原爆資料館

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、臨時閉鎖していた長崎市平野町の長崎原爆資料館が1日、再開した。市民ボランティア「平和案内人」の碑巡りガイドなどの活動も、感染防止対策をとりながら一部を再開。被爆75年の節目に平和を学ぶ場が徐々に戻り始め、被爆者は「心待ちにしていた」と喜びの声を上げた。
 4月10日から閉鎖していた。再開初日は午前中からマスク姿の来館者が訪れた。入り口には検温サーモグラフィーを新たに設置。来館者に新型コロナ感染が確認された場合、追跡調査をしやすいよう、受け付けの前で来館日と氏名、連絡先を記入してもらう。
 同資料館は9月末まで市民に無料開放する。篠崎桂子館長は「この期間に一人でも多くの市民に訪れてほしい」と話した。長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)の田中重光会長(79)は「再開になったのは喜ばしい。徐々に観光客を増やし、多くの人に長崎で75年前、何があったかを知ってほしい」と期待を込めた。
 隣接する国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館も2月末以来、約3カ月ぶりに開館した。当面の間、来館者の密集を防ぐため館内を一方通行とし、被爆者の遺影や手記の閲覧については人数を制限する。
 長崎平和推進協会は、平和案内人の碑巡りガイドや、被爆体験を語り継ぐ「家族・交流証言者」の派遣事業を、マスク着用や参加者同士で十分な距離を確保する条件で再開した。長崎原爆資料館での常駐ガイドについては、今後の感染状況を見つつ検討する。
 平和案内人として毎年、碑巡りで修学旅行生らに被爆の実相を伝えてきた被爆者の岩永芙美子さん(76)=入船町=は「いつ再開だろうと心待ちにしていた。早く外に出て子どもたちを案内したい」と力を込めた。