トヨタ、『GRヤリス』の国内ラインアップを発表。3つのモデルを用意し2020年9月頃に発売へ

 TOYOTA GAZOO Racingは6月2日、日本国内で販売される新型車『GRヤリス』の全ラインアップを公開し、2020年9月頃の発売を予定していると発表した。

 GRヤリスは、WRC世界ラリー選手権に参戦するTOYOTA GAZOO Racing WRT(World Rally Team)に学んだ“WRCで競争力のあるクルマづくり”や、開発初期からの社外プロドライバーによる評価によって、世界のあらゆる道でも思い通りに操れ、“誰もが安心して意のままに運転できる”クルマとして誕生した。

 アッパーボディには、アルミ素材のエンジンフード、バックドア、ドアパネルの採用に加え、形状自由度の高いSMC(Sheet Molding Compound)工法で成形されたCFRP素材のルーフパネルを装備することで軽量化が図られている。また、キャビンは優れた空力性能を示すため、強固な3ドアタイプとされている。

 さらに前後サスペンションセッティングの最適化なども施されており、WRCを通じて、ユーザーが普段走行している世界の様々な道を知り、人とクルマを鍛える“もっといいクルマづくり”で蓄積してきたTOYOTA GAZOO Racingの知見やノウハウが注がれたモデルとなっている。

 そんなGRヤリスはすでにWeb予約の受付が開始されており、現在、日本と欧州で約6000台が先行予約されているという。今回発表された日本国内で販売されるモデルは、卓越した走行安定性、圧倒的な加速と気持ちの良いエンジン回転数の伸びを体感できる高出力な『RZ』、GRの研ぎ澄まされた走りを気軽に楽しめる『RS』、そして競技ベース用モデルの『RC』という3つだ。

 RZに搭載されるエンジンは新開発の小型軽量ハイパワー1.6リッター直列3気筒直噴ターボエンジンとなり、最高出力は272馬力を発揮する。これに新開発スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”や6速マニュアルトランスミッションが組み合わされた。RZの上位モデル『High performance』には、このほかにBBS製鍛造アルミホイールやミシュランPilot Sport 4S、前後トルセンLSDなども装備される。

 気軽に走りを楽しめるRSには、1.5リッターの直列3気筒ダイナミックフォースエンジンが搭載され、最高出力は120馬力となる。こちらのモデルはFF駆動となり、シフトにはDirect Shift-CVTが組み合わされ、10速シーケンシャルのパドルシフトでマニュアル感覚のギヤ操作が楽しめるという。

トヨタGRヤリス RS (プロトタイプ):リヤビュー
トヨタGRヤリス RS (プロトタイプ)のインテリア

 そして競技ベース用のRCは、RZと同様の1.6リッター直列3気筒直噴ターボエンジンやスポーツ4WDシステムの“GR-FOUR”、6速MTが採用されているが、ディスプレイオーディオなど、走りに必要なもの以外を極力排除した軽量モデルとなっている。

 GRヤリスの生産は、数々のトヨタスポーツモデルを造ってきた元町工場で行われ、工場には専用ラインの“GR FACTORY”を新設し、『匠』の技能を有する従業員が組み上げるべく、準備を進めているという。

 なお、日本国内で先行Web予約を開始している先行予約限定モデルには、マットブラック塗装やマーブル柄のカーボンルーフ、エモーショナルカラー・プレミアムスポーツシートがメーカーオプションとして設定される。さらに、トヨタ自動車のマスタードライバーであるモリゾウのサインが入ったウインドシールドガラスが特別装備されることも発表された。

 GRヤリスをすでに先行予約をした方は、指定の販売店で7月中に商談を行ってもらい、成約後には予約順に優先的な生産を予定しているとのことだ。車両の詳細についてはTOYOTA GAZOO Racingの公式ホームページ(https://toyotagazooracing.com/jp/gr/yaris/)まで。

メーカーオプションのエモーショナルカラー・プレミアムスポーツシート
メーカーオプションのマーブル柄カーボンルーフ
モリゾウのサインが入った特別装備のウインドシールドガラス

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