食育で「南島原ひまわり村」が農水大臣賞 県内初 民泊で農漁業体験提供 「1次産業 重要性伝える」

農業体験をする修学旅行生=南島原市内(南島原ひまわり観光協会提供)

 農漁業体験民泊を受け入れる長崎県南島原市内の家庭でつくる「南島原ひまわり村」(楠田耕三村長、163人)が、農林水産省の「第4回食育活動表彰」教育関係者・事業者部門(農林漁業者等)で、最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。食育活動表彰での同賞受賞は県内で初めて。
 同表彰は「食」の知識や選ぶ力を学び、健全な食生活を送る人を育てる食育の取り組みを全国に広める目的。先進性、継続性、有効性、波及性、実践性の五つの観点で審査する。今回は各都道府県から推薦された186件の中から、19団体・個人を選んだ。表彰式が6月に愛知県で開催予定だったが、新型コロナウイルス感染防止のため中止となった。
 同村は2013年3月、民泊を通した南島原の魅力アップや受け入れ家庭の連携強化を目的に結成。農漁業体験で収穫した野菜や魚を使った家庭料理や郷土料理作りを通して、食について考える機会を提供している。19年度は延べ約1万1700人の宿泊者を受け入れた。
 楠田村長(51)は「民泊を通じて、全国各地に“家族”ができ、その後も交流が続くこともある。これからも子どもたちに食を支える1次産業の重要性や家族の大切さを伝えていきたい」と喜びを語った。

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