震災後はどう動いた?中小型株から「コロナ後」の世界を展望する

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態措置が解除され、徐々に経済活動が復活しつつあります。しかしながら、第2波に対する警戒は依然続いており、以前の生活を完全に取り戻せるとは思えません。「コロナ前」と「コロナ後」では、私たちの価値観や行動規範に変化が現れると考えた方がよいでしょう。


震災をきっかけに変わったもの

過去にも私たちの価値観や行動規範に変化が生じたことがありました。たとえば、2011年3月に発生した東日本大震災です。当時、通信障害により電話がつながりにくい状況が継続したことで、LINE(証券コード:3938)などのチャットアプリが急速に普及するきっかけとなりました。

また津波によりオフィスに設置していたサーバーを消失した企業があったことで、クラウドコンピューティングへの評価が高まりました。クラウドコンピューティングの基盤構築を得意とするコムチュア(3844)の株価は大きく上昇しました。

福島第一原子力発電所の事故以来、原発に対する見方は厳しくなり、東京電力ホールディングス(9501)など大手電力会社の株価がアンダーパフォームする一方、再生可能エネルギー関連の会社、たとえば太陽光発電システムの施工を行うウエストホールディングス(1407、JQS)の株価は10倍以上になりました。

「コロナ後」の世界を展望する

「コロナ後」の世界を展望する場合、今までなかった製品やサービスが全く新たに登場するというより、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけとして、既存の製品やサービスの普及拡大が加速するというケースの方が多いと考えられます。

下表に「コロナ後」に起こりうる変化と関連銘柄を一覧にまとめました。リモートワークの拡大に伴い、パソコンや周辺機器の需要が増加し、セキュリティ対策のソフトが増えることが予想されます。ネット上での名刺交換、リアルタイム翻訳、電子ハンコなども一般的になるでしょう。リモートサービスがさまざまな分野で浸透していくことが考えられます。

また、ソーシャルディスタンス(社会的距離)が意識されるようになり、出前や宅配が増えています。公共交通機関が敬遠され、自動車利用、マイカー通勤が増えるかもしれません。衛生意識の高まりから消毒が推奨され、抗菌・抗ウイルス素材へのシフトも進みそうです。店舗シェアリング、アルバイトシェアリングといったシェアリングが加速もする可能性もあります。

生産現場ではサプライチェーンの見直しが行われるでしょう。中小企業の資金繰りに対する懸念が浮上していますが、売掛金保証ビジネスの拡大が見込まれます。人との距離をとることが求められ、人はかえって心の絆や癒しを求めるようになるでしょう。結婚、ペット、ガーデニング等に関連するニーズが増えるかもしれません。

中小型株企業にチャンス到来

「コロナ後」の世界が、「コロナ前」の世界と比べてどのように変容していくのか、さまざまなことが考えられます。今までなかった製品やサービスが新たに登場する可能性もあります。いずれにしても我々の価値観や行動規範が変化すれば、そこに必ずビジネスチャンスが生じ、そのチャンスは多くの場合、中小型株企業に到来するでしょう。

<文:企業調査部 嘉山美樹子>