前回の話では、順調に進みながら成功したように感じたかもしれませんが、もちろん何の悩みも苦労もなくここまで辿り着いたわけではありません。現在のようになるまでには、いくつかの悩みにぶつかってきました。今回はその苦悩の中から、初期のころのにぶち当たってきた悩みとそれをどう乗り越えてきたのかについてお話ししたいと思います。
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最初は売れるだけでとにかくうれしい
ハンドメイドをはじめたころは、ただ売れるのがうれしく楽しくて、「とにかく売れるとうれしい!」「売れなくても、今日は作家仲間さんと出逢えたからいいや」「遊びにきて売れたらラッキー」……そんな言い訳を作って参加していました。初期の作家のあるある話しです。
私の場合は、これに加えて、「参加してマイナスにはならないようにしよう」「何か刺激を受けて学んで帰ろう」とは思っていましたが、マイナスにはならなかった(人件費を考えればマイナスですが)ものの、すぐにたくさん売れることはありませんでした。
参加の回数を重ねるごとに、徐々に「これが副業になったらいいのにな、できることならもっと……」と思いはじめたものの、売上のハードルを強く感じるように。それからは、どうしたらもっと売れるんだろうとか、思うように売れないなといった気持ちに悩まされるようになりました。
最初に立ちはだかる1万円の壁
最初は地域のマルシェによく参加していたのですが、平均の売上は5000円前後。最初の出店がからは少しずつ伸びでいたものの、なかなか1万円の売上には届きませんでした。作品が悪いのかな? 価格が悪いのかな? 地域が自分の作品と合わないのかな? 悩みや疑問がつきません。かと言って、なぜなのか、どうしていいのかがさっぱりわらなかったのです。
そのような状態だったので、売上の壁を突破するために、1カ月の参加回数を多くすることにしました。数をこなせば、売り上げも上がると思ったのです。しかし、作家活動の駆け出しが思いつく価格設定は決して高くなく、逆に高めの価格をつけるなんて、おこがましいとさえ感じていました。なので、1,000円前後の価格が主流で、500円のものしか売れなければ、10個売れても5,000円にしかならなかったのです。
売れないかも、という方向に気持ちが向いてしまい、買ってもらいやすいほうへと舵を取っていたので、解決への道が遠のいてしまっていました。
壁を突破したのは○○を変えたこと
その後も本を読み漁り、周りの声を聞きながら、試行錯誤をくり返していましたが、現状はなかなか変わらずにいました。しかしある日、若い女性の作家さんに言われた言葉にハッとしました。
「今日の売上の目標はいくらですか? 月の売上目標は?」
その作家さんは、参加イベントごとや月ごとに、いくら販売するか考え、準備をしていたのです。趣味の延長ではあるけれど、仕事として考えてるという言葉に、自分の考えがあまりにもボンヤリしていたんだと思わされました。
彼女をよく見ていると、見せ方やお客さんの流れで作品の並べ替えるなど、じっとしていることなく何かをしていました。
副業と思ったら仕事としての意識を強く持たなきゃいけない。それからは、ハンドメイド販売を仕事として意識を変えました。具体的には、販売をすること=利益を出すこと、というふうに意識を変えたのです。
とは言え、高い講義を受けるという大袈裟なことはせずに、できる範囲で変えて行こうと、作品をつくりながら工夫したり、常に学ぶ姿勢をもつようにしていくことにしました。
ハンドメイド販売を育てながら共に成長していく
ハンドメイド販売は商売と同じ。ノウハウを知らない素人が、ある程度の軌道に乗るまでは簡単ではありません。一つの壁を脱すればすぐに思う売上があがるものではありませんが、意識が変わると成長するごとに成果が見えてきます。そして、出てくる壁や悩みは、突破するものに変わっていきます。
パートや社員のように、「働いたのでそのぶんの対価がすぐにもらえました!」というものではありませんが、成果が出たときの達成感、そしてお客さんから喜びの声がもらえるとても素敵な仕事です。そして長く続けることで、希望するような利益を作れるかもしれない、そういう楽しい世界でもあります。
今は本業と合わせて、家事や育児の隙間時間に家庭でできるお仕事として。そして、いつか本業に。理想や目標を掲げて、自分の生活リズムに合わせながら無理なく取り組む。ハンドメイドを育てながら、自分も共に成長していく、そういう気持ちで楽しくチャレンジしてもらいたいお仕事です。
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