デスク日誌(6/3):区切り

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 高校では硬式野球に没頭した。甲子園なんて夢また夢の弱小チームだったが、勉強そっちのけで練習した。勝負を懸けた3年の夏は初戦コールド負けを喫した。あっけない結末。でも「何だか、一区切り付いた」という感情が湧いた。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、高校の大会が軒並み中止になった。それは合唱、吹奏楽といったあらゆる部活に及ぶ。

 「この経験を人生に生かせ」と訓示を垂れても、理不尽な事態に巻き込まれて機会を奪われた高校生には到底、響かないだろう。

 夏の甲子園大会の中止が決まり、プロ野球選手が数々のコメントを寄せている。その中で誠実だなと感じたのは、西武の松坂大輔投手の言葉だった。

 「本当の苦しさは当事者にしか分からない。事実をどう受け止め、次に向かうかという問いに答えも見つからない」と高校生の心情をおもんぱかり、「選手の心に寄り添い、アイデアを出し、実行することは大人にもできる」と訴えた。

 高校生を新たなスタートラインに立たせるにはどうしたらいいのか、かつて高校生だった大人が知恵を絞る番だ。 (報道部担当部長 山野公寛)