【新型コロナ】2カ月遅れの入学式は3密回避 でも「顔が見えて安心」

間隔を空けた教室での入学式=2日午前、県立上鶴間高校

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の解除で6月から再開した神奈川県立上鶴間高校(相模原市南区、小林芳明校長、986人)で2日、入学式が行われた。当初4月8日に予定していたが宣言発令を受け延期、2カ月遅れの実施となった。生徒は休校中、オンライン授業など主にインターネットで学校とつながっていたが、クラスメート全員でそろったのは初めて。「やっぱり顔が見えると安心する」と283人の新入生、そして教職員も喜びを新たにした。

 式会場は教室で分散・時差・短縮型の入学式となった。8クラスを半々にし、午前9時40分と同11時20分から実施。さらに、1クラスを2班に分け1教室の収容を20人以内に抑えて、3密(密閉、密集、密接)を避けた。

 式では、ICT(情報通信技術)利活用授業研究推進校らしく、校長と新入生代表の言葉を収録した動画を各教室黒板のホワイトボードシートに映した。小林校長は「今、誰もが普通の生活の大切さを実感していると思う。当たり前を大切に、一日一日を大切に過ごしてほしい」と呼び掛けた。

 新入生代表の遠山和奏さん(15)は「新たな仲間とともにさまざまな思い出をつくりたい。今置かれている大変な状況を乗り越え、3年後の春、たくさんの思い出を胸に旅立ちたい」と決意をにじませた。

 ホームルームは武道場など広い校内施設を使い、クラス全員が初めて顔を合わせた。北原小春さん(16)は「区切りがついて、入学した実感が湧いた。クラスメートの顔が見えて安心感があった」と話した。

 上鶴間高を含めた県立高4校、県立特別支援学校4校で入学式を延期していたが、いずれも今週中に実施する。

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